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【MTG】『イクサラン:失われし洞窟』で隠れた強者を探す【レビュー】

はじめに

すべてのカードセットレビューは、後で見直すためにある。

11月17日発売(デジタルでは11月14日発売)の新セット『イクサラン:失われし洞窟』の全カードが公開された。

↓カードリストはこちら↓

magic.wizards.com

本記事では『イクサラン:失われし洞窟』のカードを、MTGアリーナ目線で強そうなカードや気になったカードを一部抜粋しながら、隠れた強カード、つまり未来の《鏡割りの寓話》を探す。予想を外したら笑ってほしい。

《鏡割りの寓話》は、『神河:輝ける世界』で初登場したレアのカードで、詳細は省くが、プレビュー段階から発売して1ヶ月後くらいまではあまり評価されていなかった。しかし、次第にその強さが明らかになり、スタンダードで活躍すると、多くの下環境でも活躍するようになった。未来の《鏡割りの寓話》とは、プレビュー段階では評価されていないが、発売後に活躍するカードのことであり、この記事ではそれを予想する。

今回も各カードを、パワー・隠れ度・価格度という3つの評価の観点で評価する。

パワーはそのカードの強さであり、これを1から5の値で評価を行う。数字が大きいほど強いカードであると予想したことを表す。

隠れ度はそのカードがプレビュー段階でどれだけ注目されていなかったかを表す。これも1から5の値で評価付けをして、数字が大きいほど隠密していたことを表す。測り方は、私個人の感覚やショップ価格を見て判断する。

価格度はそのカードをデッキに入れるのにかかる費用を表す。これは稀少度とそのカードをデッキに入れるべき枚数から決まる尺度である。これもやはり1から5の値で評価付けをする。MTGアリーナ基準なので、紙の価格ではなく、稀少度とデッキに入れる枚数で評価される。

これらの評価が高いほど、《鏡割りの寓話》になる可能性が高いと言える。

前回の振り返り

『エルドレインの森』でスタンダードで活躍したカードとしては、《苔森の戦慄騎士》《執念の徳目》は事前評価も高く、実際に使われている。逆に事前評価の低かったカードの中では、《開花の亀》《木苺の使い魔》が活躍していた。前者は単純にカードパワーが評価されて使われており、後者は《アラーラへの侵攻》との意外なコンボを持っていた。

また、下環境では予想外のカードが活躍していた。《探索するドルイドはレガシーのデルバー系デッキで定着している、また、《豆の木をのぼれ》は主にモダンやレガシーで使われているカードで、強力なドローソースとして活躍している。私は下環境にそこまで詳しくないが、まったく記事で話題にしていなかったので、これを気にしていなかったのは節穴だった。《鏡に願いを》については、下環境では使われているが、スタンダードなどではそこまで使われていないので、そこも予想を外した。

前回の記事で取り上げたカードを見ると、《ガチョウの母》以外は実際に使用感を試した。

《大食い戦争》はジョニー向けのカードだが、良い使い方を見つけて記事にすることができた。実は《大食い戦争》にはアルケミーにサポートカードが存在するのだが、そちらはまだ試していない。

《強靭の徳目》はヒストリックの【緑信心】で試したり、ブロールで使ったりした。やはり出来事が強く、当事者側はおまけという感じだった。

《フェイの血筋のケラン》は装備品デッキに入れたが、そこまで強いと感じなかった。出来事も当事者も、遅さが気になった。

《キャンディーの道標》は、予想通り地味に強いカードで、スタンダードの大会でも白単に使われていた記憶がある。

今回は前回の反省を踏まえて、自分が使いそうなカードを中心にあげていこうと思う。では、注目カードをチェックしていこう。

↓新メカニズムに関しては、公式の記事を参照してほしい。↓

mtg-jp.com

期待のカード

《奇怪な宝石》《啓蒙の神座》
《奇怪な宝石》 《啓蒙の神座》

タップ状態で戦場に出て、能力起動限定で無色2マナを生み出し、作製能力も持つ伝説のマナ・アーティファクト

作製は新登場のキーワード能力で、簡単に言えば、「戦場か墓地のカードをコストに裏返る」能力である。作製条件は「起動型能力を持ち土地でない4つ以上」と9マナであり、かなりの重さである。裏面の《啓蒙の神座》も伝説のアーティファクトとなる。《啓蒙の神座》は作製で追放したパーマネントすべての能力を持つ。さらに、あなたがマナ能力でない起動型能力を起動するたび、コピーを行う。 裏面は複雑だが、とにかく強力なことが起こると考えて良いだろう。プレインズウォーカーを追放すれば、忠誠度能力も使える。とはいえ、作製コストが重く、基本的には表面での使用が基本になる。

このカードに期待する理由は、《大食い戦争》デッキで使えるからである。表面は青の1マナで出てくる軽さが優秀。2マナは《大食い戦争》の能力をちょうど起動できる。1ターン目から展開できるアーティファクトとしてはちょうど良いだろう。

余談だが、裏面の「神座」は「しんざ」と呼ぶ。ラーメン屋のように「かむくら」ではない。

  • パワー:2
  • 隠れ度:5
  • 価格度:4

《地底のスクーナー船》

攻撃時に探検を行う、2マナの機体。

搭乗コストは1ともっとも低く、それだけでかなり優秀。攻撃をトリガーに探検を行えるため、序盤からマナスクリューをケアできるのも、デッキの安定性を高める点ではかなり役に立つ。なお、探検を行うのは搭乗を行ったクリーチャーの方なので注意。搭乗するクリーチャーはなるべくサイズを上げる意味があるクリーチャーを採用したい。また、回避能力を持たないため、中盤以降は殴りづらくなることもあるが、そこは他のカードでサポートしたい。青絡みの攻めるデッキで採用されるかもしれない。

よく《密輸人の回転翼機》と比較されるが、個人的には《航海の神、コシマ》の裏面の《領界船》と似ていると思う。両面カードでなくなった代わりに強化された感じ。

  • パワー:4
  • 隠れ度:2
  • 価格度:4

《エターリの好意》

3マナの赤のオーラ。ETB能力で発見3を行い、エンチャントしているクリーチャーに+1/+1修整とトランプルを与える。

発見は新キーワード能力で、簡潔に言うと、ライブラリーからランダムにマナ総量が「発見の数値以下」の呪文を唱える能力である。《エターリの好意》は発見3なので、3マナ以下の呪文をランダムに唱えられる。

このカードは、オーラである部分はどうでもよく、とにかくETBで発見を行うパーマネントであることが大事である。どういうことかというと、このカードの発見3を使い回すわけである。デッキの3マナ以下のカードを、発見を持つカードと、《クローン》的なコピーカードやブリンクを行えるカードだけを採用すれば、《エターリの好意》をコピーしたりブリンクすることで発見3を繰り返すことができる。(新カードの《地質鑑定士》は唱えた時限定であるため不可。)しかし、それだけでは勝つことはできない。発見は待機を持つ0マナのカードも唱えられるが、MTGアリーナにないので関係がない。一体どうやって勝つのか?詳細は後に紹介するカードで説明する。

  • パワー:1
  • 隠れ度:5
  • 価格度:1

《太陽の執事長、インティ》

あなたが攻撃するたびに手札1枚を捨ててクリーチャーを強化する能力と、カードを捨てるたびに衝動的ドローを行う能力を持つ伝説のクリーチャー。

2マナと軽いながら、クリーチャー強化と衝動的ドローの2つを行える。クリーチャー強化の方は+1/+1カウンターを使うため恒久的な強化であり、トランプルでチャンプブロックも許さない。衝動的ドローの方は、手札の不要なカードの入れ替えを行うことができ、これ以外で捨てても衝動的ドローを行うため、他のカードとシナジーを持たせることができる。また、《復興の領事、ピア・ナラー》のような追放領域から唱えることを参照するカードともシナジーする。

総じて、攻めと手数の2つの能力を2マナで持っている優秀なクリーチャーであり、ぜひスタンダードで使ってみたいカード。

  • パワー:5
  • 隠れ度:2
  • 価格度:3

《クイントリウス・カンド》

アルケヴィオス出身の赤白のプレインズウォーカー。最近多い常在型能力を持ったプレインズウォーカーであり、クイントリウスの過去の例に習って5マナである。

常在型能力は、追放領域から呪文を唱えるたびに2点ドレインを行う。なんとなく《オニキス教授》の常在型能力と似ている。2点ドレインは攻めにも守りにも嬉しく、5マナという遅さをある程度軽減してくれる。自身が追放領域から呪文を唱える能力を持つため、単体でシナジーを持つ。

+1能力は3/2のクリーチャー・トークンを生成する能力で、ロアホールド大学のマスコットと同じサイズ。5マナの能力としては標準的で、《怪物の代言者、ビビアン》に比べれば一歩劣る性能。とはいえ、毎ターン中程度のクリーチャーを生成できるのは、それだけで強力だろう。

-3能力は発見4を行う。踏み倒しとはいえ、忠誠度の消費が大きく、なんとなく使っても強くないことが多いように見える。

-6能力はあなたの墓地の望む数のカードを追放し、追放した数だけ赤マナを加え、さらに追放したカードをプレイできる能力。常在型能力と合わせて、一気にライフを吸い取れる可能性のある能力だが、これ自体は特に墓地肥やしを行わないため、割と構築に左右されるかもしれない。

《クイントリウス・カンド》の注目すべき点は常在型能力で、回数制限のないドレインであるため、1ターンに何回も呪文を唱えれば、《苦悶の触手》の如くライフを0にできるかもしれない。ここで登場するのが、《エターリの好意》である。デッキの3マナ以下のカードをうまく調整すれば、発見3を繰り返し、何回も呪文を唱えて勝利できる!しかも、自前の-3能力で即座にコンボできる!

しかし、スタンダードのカードプールを調べたところ、3マナ以下のコピーカードやブリンクするカードが足りなさそうである。(そもそもエンチャントのコピーカードはかなり限定される。)駄目なのか……!?

追記:《エターリの好意》でなくても、《クイントリウス・カンド》自体をコピーしたりブリンクするカードを使えば、コンボになる。《灯の分身》は特に効率が良い。しかし、【アラーラへの侵攻】並みに構築を縛ってしまうのが難点。

  • パワー:3
  • 隠れ度:4
  • 価格度:4

おわりに

本記事では、『イクサラン:失われし洞窟』の《鏡割りの寓話》的カードを予想した。とはいえ、今セットでは、多くの環境を縦断するようなカードはあまり無いように見えた。レビューの記事では大体5枚のカードを紹介しているのだが、《エターリの好意》と《クイントリウス・カンド》をわざわざ分けているあたり、カードの選定に困っていたのが分かるだろう。例外として、《溶鉄の崩壊》は明らかに強いが、予想としては鉄板すぎて紹介しなかった。また、《バネ仕掛けの鋸刃》のような《大いなる創造者、カーン》から持ってこられる優秀なアーティファクトなどはあったのだが、パンチに欠けると思いこちらも紹介しなかった。

それと、記事を書くのが遅すぎて、プレリリースが始まってからの公開になってしまっているため、予想としては微妙になっているのは後悔。

以上、皆さんもぜひ発売前に強いカードを予想して、「私は最初から寓話だと思ってた」と自慢しよう。

【MTG】七人の小人とともに鉱山を越えて【宝玉鉱山の監視者】

はじめに

10月11日、『アルケミー:エルドレイン』のカードがMTGアリーナに追加された。

magic.wizards.com

カードリストを見ると、三匹の子豚関連のカードがプッシュされているが、私はあるカードに興味を持った。

《宝玉鉱山の監視者/Jewel Mine Overseer》

《宝玉鉱山の監視者》

神話レアの赤白クリーチャーである。私はプレビューでこのカードを見て強そうだと思った。 とはいえ、カード実装からかなり時間が経ってしまったため、すでに他の記事や動画でも紹介されているようだが、自分の備忘録用として、このカードを主軸にしたデッキを紹介する。

デッキ

《宝玉鉱山の監視者》のカードテキストを見てみると、 まず、3マナ3/3と、《切り崩し》に当たらない程度のサイズを持っている。 また、《宝玉鉱山の監視者》は2つの能力を持つ。

1つ目がETB能力で、《七人の小人》をライブラリーに7枚創出する。創出/Conjureとは、MTGアリーナ専用のキーワード能力で、その名の通りカードを創り出すメカニズムである。トークン扱いではないため、墓地やライブラリーにも創出できる。 創出される《七人の小人》は、以下のようなカードである。

《七人の小人》

《七人の小人》は、『エルドレインの王権』に収録されていたカードで、戦場に他の《七人の小人》が存在すると、その数だけP/Tが修整される。構築で使うクリーチャーとしてはあまり強くない。ただし、《宝玉鉱山の監視者》で創出された《七人の小人》は、キャントリップ(戦場に出たとき1枚ドロー)が能力に追加されているため、強化版《神憑く相棒》として使える。《七人の小人》を引くかどうかは運によるが、少なくとも引いても損はしないカードではある。

もう一つの能力が、あなたのアップキープごとに1枚衝動的ドローを行う常在型能力である。この能力は《ファイレクシアの幻視》や《前哨地の包囲》の常在型能力と同じ能力である。しかし、それらのカードは4マナのエンチャントであり、一方《宝玉鉱山の監視者》は3マナのクリーチャーである。除去されやすいという差はあるが、類似カードと比べて1マナ軽いのは大きな長所である。

この《宝玉鉱山の監視者》のアドバンテージ獲得能力に注目して、アルケミーのデッキ、【赤白ミッドレンジ】を組んだ。BO1のデッキリストである。

デッキリスト

デッキ
6 平地 (WOE) 268
2 ゴバカーンへの侵攻 (MOM) 22
4 忠義の徳目 (WOE) 38
3 ナヒリの戦争術 (MOM) 155
4 ミシュラの研究机 (BRO) 162
2 魅惑的な交差路 (Y24) 29
3 僧院の速槍 (BRO) 144
4 復興の領事、ピア・ナラー (MAT) 42
4 眠らずの露営 (WOE) 257
1 炎心の決闘者 (WOE) 228
4 戦場の鍛冶場 (BRO) 257
4 宝玉鉱山の監視者 (Y24) 21
7 山 (WOE) 274
4 骨化 (ONE) 26
4 レンの決意 (MOM) 173
2 溶融貫通 (Y23) 10
1 稲妻の一撃 (DMU) 137
1 ミレックス (ONE) 254

戦術

《宝玉鉱山の監視者》の常在型能力は強力だが、すぐ除去されてしまっては意味がない。そのため、2マナの強力なクリーチャー、《復興の領事、ピア・ナラー》を採用した。 ピア・ナラーは放置するとたくさんのトークンを生み出しそうなため、対戦相手としてはすぐに除去したいカードである。 つまり、《宝玉鉱山の監視者》の代わりに除去の的になるカードである。 また、その能力も、追放領域からカードをプレイすると飛行機械トークン生成という能力であるため、《宝玉鉱山の監視者》とシナジーする。

他のカードは、ピア・ナラーとシナジーする《レンの決意》や《 ミシュラの研究机》などを採用しており、《宝玉鉱山の監視者》と合わせて、プレイしきれないほどのカードをもたらしてくれる。 《忠義の徳目》は衝動的ドローでめくってもプレイしやすく、並べた飛行機械トークンや《七人の小人》を強化してくれるなど、フィニッシャーにもなる。 ミッドレンジと名乗っているのに《僧院の速槍》を採用しているのは若干の気の迷いがあるのだが、ここはメタゲーム次第といえる。

感想

デッキを試すと、《宝玉鉱山の監視者》は期待通りの活躍をしてくれた。3マナのクリーチャーが毎ターン選択肢を増やすのは強力であり、《七人の小人》もキャントリップで並びやすく強かった。 《オークの弓使い》《一つの指輪》がナーフされた後のアルケミーでは、十分強いカードではないだろうか。4枚作った甲斐があった。

余談だが、本記事を書くために過去の記事を見返すと、ちょうど1年前に、同じアリーナ限定の赤白の神話レアのカード、《変幻の戦争エンジン》を紹介していた。 これは私以外使っている人は見かけなかったが、《宝玉鉱山の監視者》は他にも使っている人がいるのを見るので、評価されているようだ。 《変幻の戦争エンジン》もまた使いたいが、《蜻蛉の操縦士》のような相性が良いカードが無くなっているので、中々機会がない。

今回はここまで。

【MTG】アンコモン2枚でコンボ!黒緑フード【実験的な菓子職人】

はじめに

『エルドレインの森』が発売されてから、すでに色々な構築が結果を出している。《豆の木をのぼれ》や《木苺の使い魔》のような予想外の使われ方をしたカードも活躍している。

私もリストを探し、まだ活躍していないけど強力なカードがあるか探していたところ、一枚のカードに気づいた。 《実験的な菓子職人》。

《実験的な菓子職人》

私はこのカードは見たことがなかったが、特殊ブースター限定カードであり、ドラフト・ブースターからは出ないため、知名度も低いだろう。 しかし、調べてみると面白いコンボがあることが分かった。このカードを軸にしたアルケミーのコンボデッキを紹介しよう。

デッキ

《実験的な菓子職人》は、「戦場に出たとき食物トークンを生み出す能力」と、「食物を生け贄に捧げるたびにネズミトークンを生成する能力」の2つを持つ。注目すべきは2つ目の能力で、1ターンの回数制限がなく、マナもかからない誘発型能力である。つまり、コンボに使えるということである。 コンボの相方となるのは《ペレグリン・トゥック》。

ペレグリン・トゥック》

このクリーチャーは「トークンを生成するとき、追加で食物1つを生成する」能力と「食物3つを生け贄に捧げて1枚ドローする」能力を持つ。これら2枚が揃うと無限ループが発生する。 そしてこれらはちょうどアルケミーに同居する2枚である。今回はアルケミーで、黒緑の2色を使った【黒緑フードコンボ】を組んだ。

戦術

具体的なコンボ内容を説明する。

必要なもの

《実験的な菓子職人》と《ペレグリン・トゥック》、食物3つ以上が戦場に存在する。

手順

  1. ペレグリン・トゥック》の起動型能力で食物3つを生け贄に捧げる
  2. 《実験的な菓子職人》の能力が誘発し、ネズミトークン3体を生成すると同時に、《ペレグリン・トゥック》の能力で食物トークン3つ生成され、さらに1枚ドロー
  3. 食物3つが戦場にあるので、1に戻る

結果

ライブラリーの続く限りドロー&引いた枚数の3倍のネズミトークン生成!勝利!

さらに強く

これは3マナクリーチャー2枚+αで決まるコンボであり、出す順番自体はコンボに関係ないので決めやすい。 しかし、(半)無限ドロー&(半)無限トークンを行っても、コンボを決めたターンには勝つことはできない。 トークンで攻撃するにしても、その前にライフを削られたり、《一つの指輪》でプロテクションされてから全除去されては意味がない。ゲームに勝つためには、コンボを決めたターンに勝つことが必須である。

マナが十分にある状態でコンボを開始したなら問題ないが、マナがギリギリの状態でコンボした場合、マナを使用せずに勝つカードをプレイする必要がある。しかしアルケミーのカードプールでそんなカードが……

あった。

《溜め込む親玉》

《溜め込む親玉》は召集を持つ黒のクリーチャーなため、無限のネズミトークンで戦場に出せる。また、ETB能力で好きなカードをライブラリーから追放し、召集付きで唱えることができる。 そして、今回のコンボは無限ドローも兼ね備えるため、《溜め込む親玉》がライブラリーに1枚でもあれば、それを唱えることができ、そこから好きなカードをマナを使わず唱えることができる訳である。

《溜め込む親玉》から唱えるカードには、《闇の森のコウモリ》を採用する。《闇の森のコウモリ》はトークンを生成&生け贄で対戦相手のライフを1点失わせる誘発型能力を持つ。統率者戦では力を発揮するクリーチャーのようだが、二人対戦では4マナの弱いクリーチャーなのが懸念点である。それでも《闇の森のコウモリ》を採用した理由として、

  • 黒単色である(召集で唱えるため、黒か、緑1マナ分しか払えない)
  • 《一つの指輪》の上から勝てる(能力が対象を取らないので)
  • ライフを詰めるスピードが早く、《ペレグリン・トゥック》1回起動で9点削れる(アリーナではありがたい)

があげられる。もっとも、アルケミーの範囲ではこれくらいしか選択肢が無かったのが一番の理由だ。基本的には引いてはいけないカードである(《食肉鉤虐殺事件》があれば……)。 他の候補として《菓子の復讐の夜》があるが、このデッキでは採用しなかった。

デッキリスト

デッキ
4 実験的な菓子職人 (WOE) 314
7 森 (ANA) 9
7 沼 (ANA) 5
4 ペレグリン・トゥック (LTR) 181
4 数々の別れ (LTR) 176
1 ガムドロップの毒殺者 (WOE) 93
2 キャンディーの道標 (WOE) 243
1 溜め込む親玉 (MOM) 110
1 闇の森のコウモリ (LTR) 95
1 黙示録、シェオルドレッド (DMU) 107
3 執念の徳目 (WOE) 115
3 チーム結成 (Y23) 17
3 鏡に願いを (WOE) 82
1 羅利骨灰 (DMU) 183
1 眠らずの小屋 (WOE) 258
2 喉首狙い (BRO) 102
4 ラノワールの荒原 (BRO) 264
4 ジャングルのうろ穴 (MOM) 270
4 オークの弓使い (LTR) 103
1 締めつける瘴気 (DMU) 86
1 一つの指輪 (LTR) 246
1 おかわり (WOE) 80

デッキの脇を固めるカードとして、《鏡に願いを》や《チーム結成》といったサーチカード、食物を出す《キャンディーの道標》や《数々の別れ》などを採用している。 また、サーチカードが多いことを活かし、1枚採用のカードを増やしてシルバーバレット戦略が取れるようにしている。

Tips

ペレグリン・トゥック》の能力はインスタントタイミングで起動できるので、相手ターンでもコンボできる。

感想

コンボが求める食物3つは、デッキに《数々の別れ》のようなカードのおかげで難しくなかった。 更地の盤面から、2体を出して急に勝つ爽快感は大きい。相手がコンボを知らないなら決めやすいだろう。 コンセプト通りに、相手が《一つの指輪》を出してタップアウトした次のターンにコンボを決めて勝つこともあった。

しかし、結局はクリーチャーコンボのため、適当にクリーチャーを出すと簡単に除去されてしまう。6マナぶん溜めてから一気にコンボを決めた方が勝ちやすい。 また、アリーナにおける無限コンボは時間切れの危険性があるが、このコンボは引きにもよるが割りと早く終わり、手順も簡単なため限界まで引いても時間切れは起きにくい。

問題点としては、アルケミーの環境ではドロー対策カードの《黙示録、シェオルドレッド》と《オークの弓使い》がはびこっていることである。あらかじめ除去しておかないとコンボを開始できない。 また、《溜め込む親玉》がいても確実に勝てる訳ではない点に注意。先に《闇の森のコウモリ》を引いていると《溜め込む親玉》で追放できなくて召集できないし、最悪《溜め込む親玉》を引いてもライブラリーに土地しかない、ということもありうる(実際にあった)。とはいえ《溜め込む親玉》の枚数を増やすとデッキに引いてはいけないカードが増えるのがもどかしい。なんらかの次善の策を用意しておいたほうがいいだろう。もっとも、そのターンのうちに勝つ必要がなければ問題はないが。

本記事を書くためにBO1でしか試していない。BO3ではコンボを対策を受けやすいが、こちらもサーチカードから対策カードを引っ張ってこれるなど、悪い面ばかりではないため、BO3でも試してみたいと思う。

今回はここまで。

【MTG】青赤フード?【スタンダード】

はじめに

エルドレインの森が発売されて数日がたった。様々な構築のデッキが試されている。私も早速スタンダードのデッキを試した。 以前の記事でも紹介した、《大食い戦争》だ。

futosuto.hatenablog.com

《大食い戦争》

簡単に言えば、自分のすべてのアーティファクトがショック相当になる。複数枚設置すればその分火力も上がる。実に楽しそうなカードだ。 《大食い戦争》というカード名からフードファイター的なことを連想するが、イラストやフレイバーテキストから察するに食物を投げつけて戦っているようだ。 この《大食い戦争》、リミテッド評価が低く、ドラフトで4枚流れてきてすぐ揃ったので、 さっそくスタンダードのカードプールでデッキを作ってみた。

デッキ

アーティファクトを活用するなら、《鬼流の金床》だ。これと相性の良いカードをデッキに入れて、新カードの《ガムドロップの毒殺者》も入れよう。これで【黒赤大食い戦争】の完成だ。

しかし結果から言うと、この【黒赤大食い戦争】は弱かった。なぜなのか?もちろんデッキリストの練度が低いのもあるだろう。しかし根本的に弱い部分があった。特に、

  • アーティファクトを出す手段だった《命取りの論争》がない
  • 《命取りの論争》がないから、アーティファクトでないクリーチャーを生け贄にできない
  • 《大食い戦争》が序盤何もしない
  • 《大食い戦争》の能力起動に2マナかかる

などの点が弱いと感じた。特に《命取りの論争》がないのはとてもきつかった。 この散々な結果に、期待していたカードだけに《大食い戦争》は駄目なのか、と落ち込んだ。 もうだめなのか…と思ったそのとき、一人のプレインズウォーカーを見つけた。

《肉体の裏切者、テゼレット》

《肉体の裏切者、テゼレット》は『神河:輝ける世界』で登場したプレインズウォーカー。 故郷のアラーラが話題らしいが今は関係ない。 常在型能力でアーティファクトの起動型能力のコストを1ターンに1回だけ2下げる。 そう、《大食い戦争》と非常に相性の良い能力なのだ。2枚が揃えば、相手ターンも含めて毎ターンタダでダメージを飛ばすことができる。

後は生け贄に捧げる料理(もとい、アーティファクト)をテゼレットに用意する必要がある。そのための料理人には《第三の道の偶像破壊者》と《金属の徒党の種子鮫》を採用する。 アーティファクト・カードをデッキに入れるよりも安く生け贄となるアーティファクトを提供してくれる。特に《金属の徒党の種子鮫》はテゼレットの起動型能力とも相性が良く、8/8という巨大サイズのクリーチャー・トークンを作り出すこともできる。

というわけで、テゼレットを採用した【青赤大食い戦争】のデッキを作成した。

デッキ
4 肉体の裏切者、テゼレット (NEO) 84
5 山 (ANA) 7
2 マイトストーンとウィークストーン (BRO) 238
1 セレスタス (MID) 252
2 電圧のうねり (NEO) 171
6 島 (ANA) 3
3 塔の点火 (WOE) 153
3 金属の徒党の種子鮫 (MOM) 51
2 大食い戦争 (WOE) 129
4 シヴの浅瀬 (DMU) 255
2 蒐集家の保管庫 (WOE) 244
4 かき消し (SNC) 49
2 アイレンクラッグ (WOE) 248
4 嵐削りの海岸 (VOW) 265
1 眠らずの尖塔 (WOE) 260
1 反逆のるつぼ、霜剣山 (NEO) 276
1 天上都市、大田原 (NEO) 271
4 第三の道の偶像破壊者 (BRO) 223
1 消えゆく希望 (MID) 51
3 キャンディーの道標 (WOE) 243
1 攪乱プロトコル (NEO) 51
1 ミレックス (ONE) 254
3 ミシュラの研究机 (BRO) 162

サイドボード
2 兄弟仲の終焉 (BRO) 128
1 塔の点火 (WOE) 153
1 電圧のうねり (NEO) 171
1 削剥 (VOW) 139
2 呪文貫き (NEO) 80
1 否認 (STA) 18
2 石術の連射 (MOM) 152
2 魂なき看守 (ONE) 241
2 生けるレガシー、カーン (DMU) 1
1 攪乱プロトコル (NEO) 51

戦術

デッキを構成するのは、先ほど述べた主要パーツと、アーティファクト、除去とカウンターである。《第三の道の偶像破壊者》と《金属の徒党の種子鮫》はクリーチャーでない呪文を唱えるたびにアーティファクトトークンを生成するため、なるべく軽い呪文を採用している。

新カードの《キャンディーの道標》はデッキの潤滑油となるアーティファクトで、ライフゲインもついているためアグロに強くなれる。また、《蒐集家の保管庫》は宝物トークンを生成できる上、テゼレットの常在型能力とも相性が良い。

《かき消し》や《塔の点火》は、使いやすい呪文でありながら、《第三の道の偶像破壊者》が用意するトークンをコストにすることができるシナジーが存在する。

基本的な戦い方としては、相手のクリーチャーは赤の火力で焼きながら、カウンターを構えて2種のクリーチャーを出す。マナが十分に溜まったら、テゼレットを登場させる。テゼレットが場に出ている間は《大食い戦争》、《蒐集家の保管庫》、《金属の徒党の種子鮫》のトークンの起動型能力がタダになるので、一気に盤面を制圧できる。

サイドボードは割りと適当である。今回はメインボードに採用していないが、《生けるレガシー、カーン》もこのデッキでは強い。4マナと重いが、[+1]能力でパワーストーンを生成できる。パワーストーンを《大食い戦争》で生け贄に捧げるときは(アンタップしていれば)タップで自身のマナを使用できるため、宝物などを生け贄に捧げるより軽い。また[-1]能力のカードを探す能力も地味ながら強い。なにより《告別》を撃ってくるようなデッキへの保険になる。

Tips

《肉体の裏切者、テゼレット》の常在型能力は、《アイレンクラッグ》や《セレスタス》のようなマナ能力にも適用されてしまうので注意。

感想

黒赤でデッキを組んでいたときとは比べ物にならないほどデッキとしてしっかりと成立していた。序盤は火力とカウンターで捌けば、中盤から一気に強力な盤面を作ることができる。《大食い戦争》を設置すればクリーチャーデッキを止めることができるし、そのまま火力でフィニッシャーにもなれる。デッキの見た目としてはコントロール寄りだが、《大食い戦争》テゼレットの[-2]能力を活用すれば素早く対戦相手のライフを削ることができるので、意外と相手に逆転を許さず勝ち切ることができる。

このデッキをさらに良くする改善点としては、火力とカウンターの配分や、マナベースの改善だろうか。アーティファクトを多用するデッキなので、《攪乱プロトコル》はなるべく採用したいが、しかし火力も必要なため、青2マナを序盤に安定して揃えようとするとタップイン土地を使うことになってしまうのが難点である。

結果としては《大食い戦争》よりも《肉体の裏切者、テゼレット》がメインになっているが、あまり使われることが無かったプレインズウォーカーを新カードを絡めて活躍させることができたので満足である。

今回はここまで。

【MTG】『エルドレインの森』で鏡割りの寓話を探す【レビュー】

はじめに

すべてのカードセットレビューは、後で見直すためにある。

9月8日発売(デジタルでは9月5日発売)の新セット『エルドレインの森』の全カードが公開された。

↓カードリストはこちら↓(本セットからページの見た目が変わった)

https://magic.wizards.com/ja/products/wilds-of-eldraine/card-image-gallery?cigfreshness=all&cigproduct=all&cigset=WOE

この記事では『エルドレインの森』のカードを、MTGアリーナ目線で強そうなカードや気になったカードを一部抜粋しながら、未来の《鏡割りの寓話》を探す。予想を外したら笑ってほしい。

今回も各カードを、パワー・隠れ度・価格度という3つの評価の観点で評価する。

パワーはそのカードの強さであり、これを1から5の値で評価を行う。数字が大きいほど強いカードであると予想したことを表す。

隠れ度はそのカードがプレビュー段階でどれだけ注目されていなかったかを表す。これも1から5の値で評価付けをして、数字が大きいほど隠密していたことを表す。測り方は、私個人の感覚やショップ価格を見て判断する。

価格度はそのカードをデッキに入れるのにかかる費用を表す。これは稀少度とそのカードをデッキに入れるべき枚数から決まる尺度である。これもやはり1から5の値で評価付けをする。MTGアリーナ基準なので、紙の価格ではなく、稀少度とデッキに入れる枚数で評価される。

これらの評価が高いほど、《鏡割りの寓話》になる可能性が高いと言える。

 

前回の振り返り

前回の記事を見返してみると、あまり予測を当てられなかったように見える。そもそも発売してから評価が上がったカードがあまりなかった。強いて言えば**《多元宇宙の突破》**だろうか。このカードは各プレイヤーに高価が及ぶため、多人数戦向けのカードだと見られていた節がある。カードを評価するときはとは添加的散漫に注意したい(添加的散漫については公式記事を参照)。とはいえ、現在そこまで使われている印象もないカードであるが。

前回取り上げたカードの中では、《クロクサとクノロス》は使うことがなかったので強さが分からなかった。《溜め込む親玉》は出せれば打ち消しを持ってこれるため強いが、出すまでが大変なカードだった。《梁町の殴り棒》は装備品デッキに1枚くらい入れていいかな、という感じのカードで積極的に採用する気になれなかった。《エラントとジアーダ》は実際に使ってみると、カードプールの問題もあってそこまでの強さは感じなかった。《エルガモンへの侵攻》はまだポテンシャルを感じるが、色が良くなかった。

今回は前回の反省を踏まえて、自分が使いそうなカードを中心にあげていこうと思う。では、注目カードをチェックしていこう。

 

期待のカード

《大食い戦争》

あなたのコントロールするアーティファクトに、「2マナで生け贄に捧げることで《大食い戦争》の数+1点を好きな対象に与える」能力を持たせるエンチャント。

アーティファクトをダメージ源に変換することができる。分かりづらいが、「与えるダメージはあなたのコントロールする《大食い戦争》の数+1」であるため、基本は2点だが、《大食い戦争》を複数枚出すとダメージが上がる。複数枚引いても腐らないようにできている点は良い。

能力自体は基本的に2マナ2点+生け贄であるため、ダメージ効率はそこまで良くない。しかし、起動型能力のコストにタップを含まないため、宝物を生け贄に捧げる場合は実質1マナになる。宝物ではタップ時に生け贄に捧げられてしまうため成り立たない。パワーストーンなら1マナになる。

スタンダードではローテーション期間が伸びたおかげで血トークンや《鬼流の金床》などとシナジーさせることができる。本流のセットではあまり見ないタイプの能力を持っているので、ぜひデッキを作ってみたい。ただ現状でのショップ価格はレアとして最低限の価格しかなく、特に評価されていないようだ。

パワー:2
隠れ度:5
価格度:4

 

《強靭の徳目》

徳目サイクル(当事者カードのエンチャントサイクル)の一枚で、緑の徳目は出来事でクリーチャーか土地の墓地回収を行い、エンチャント側では基本土地から出るマナを3倍にする。

正直に言ってこのカードはスタンダードなどでは使われないと思う。しかしこのカードの本領は統率者戦であろう。統率者戦ならシングルトンなので墓地回収も強いし、大量に出したマナもアドバンテージにつながる。

ただ私が主にプレイしているMTGアリーナには統率者戦は存在しない。代わりにヒストリックブロールが存在する。ヒストリックブロールは一対一のため、統率者戦とは色々と違うが、それでもシングルトンなので墓地回収は有用である。私がよく使うデッキの【迷える探求者、梓】に入ると思う。梓ならエンチャント面も強力に使えるだろう。

よく見ると、出来事側の《ギャレンブリグの成長》は私の知る限り、初の緑1マナでクリーチャー(と土地)回収ができるカードである。そう考えると実は出来事側は強いのかもしれない。

パワー:3
隠れ度:5
価格度:3

 

《ガチョウの母》

緑青の伝説のハイドラ。Xをもマナ・コストに含み、X個の+1/+1カウンターを持ちながらXの半分(端数切り上げ)個の食物トークンを生成する。さらに攻撃時誘発で食物1つが1枚ドローになる。

やや複雑だが、かつて《ハイドロイド混成体》の変形版のようなカード。公開時から常に比較されてきた。《ハイドロイド混成体》と違って伝説であり、さらにライフ回復とドローが唱えたとき誘発でなくなっているなど、マイナスな点が多い。しかし、あちらよりP/Tが高く、またアルケミーにおいては《喜ぶハーフリング》によって伝説のクリーチャーは打ち消されなくなるため、デメリットをかき消せる。食物トークンを大量に生成できる点は、アーティファクトシナジーと組み合わせれば強く活かすことができる。スタンダード範囲でも、アーティファクトをフィーチャーしたセットが多かったため、緑でもシナジーを持つカードは多い。意外と環境で見るかもしれないカード。

パワー:4
隠れ度:3
価格度:4

 

《フェイの血筋のケラン》

赤白の伝説の当事者カード。出来事側は装備品かオーラのサーチで、クリーチャー側は二段攻撃と自軍クリーチャーのパワー修整を与える能力を持つ。

出来事側の2マナでサーチは直近ではスタン落ちした《ファイター・クラス》が持っている能力だったが、スタンダードに帰ってきた。攻める点ではテンポが悪いが、クリーチャーもついてくるので長い目で見れば大きなアドバンテージになる。サーチカードゆえにカードプールが大きくなるほど強くなるため、今後さらに強くなる可能性がある。

クリーチャー側も、二段攻撃を最初から持っているので強化効率が良い。自軍クリーチャー強化が生きるかどうかはデッキ構築に寄るが、どうも最近は《オークの弓使い》(アルケミー限定)のせいで弱いクリーチャーを並べる戦略にはリスクがあるので難しい。余談だが、以前記事にもした【赤白装備品】は《オークの弓使い》に弱いのでかなり厳しくなってしまった。

武装あさり》や《兎電池》など多くのカードがローテ落ちするアルケミーの赤白装備品のあらたな戦力として期待したい。一応、オーラのサポートもできるが赤白ではそこまで強くないとは思う。

パワー:3
隠れ度:4
価格度:4

 

《キャンディーの道標》

1マナのアーティファクト。出たとき占術2と、2マナで生け贄に捧げて1枚ドロー&3点回復。

過去のカードでは《海の神のお告げ》が近いだろうか。かかるマナは増えているが1ターン目からおける上に回復までついている。《治癒のポーション》と比べれば、占術2がついているぶんだけ強力である。ドローと回復は起動型能力なので協約には使いづらいが、1マナなので《現実の設計者、タメシ》や《湖に潜む者、エムリー》で使いまわししやすい。スタンダードやアルケミーで使われるかは微妙なラインだが、こちらもブロールで使ってみたいカード。コモンなので《鏡割りの寓話》とは程遠いが。

パワー:3
隠れ度:5
価格度:1

 

おわりに

本記事では強さよりも注目されてない、自分が使いたいカードを中心に紹介したため、《鏡割りの寓話》っぽいのはあまり無かったかもしれない。

『エルドレインの森』は紹介したカード以外にもプレビュー段階で話題のカードが多数存在するため、新しい環境での活躍も期待できる。《鏡に願いを》で《黙示録、シェオルドレッド》や《一つの指輪》を持ってきたり、オーク・軍団トークンで協約を行ったりする光景が見られるだろう。

以上、皆さんも是非発売前に強いカードを予想して「私は最初から寓話だと思ってた」と自慢しよう。

【MTG】黒赤バーン【ヒストリックパウパー】

はじめに

最近記事を書いていないので(またか)、リハビリがてらにMTGアリーナでのデッキを紹介する。

デッキ

MTGアリーナにはヒストリックパウパーという、デジタル限定のフォーマットが存在する。ヒストリックパウパーは、MTGアリーナ上に存在するすべてのコモンのカードが使えるフォーマットである。 他のフォーマットと違い高価なカードは必要ないため、初心者にも優しいフォーマットである(たまに開かれるイベントでしか遊べないが)。 本記事ではヒストリックパウパーでのおすすめデッキ、【黒赤バーン】を紹介する。

【黒赤バーン】

デッキ
4 癇しゃく (J21) 71
7 沼 (ANA) 5
4 台所のインプ (MH2) 89
7 山 (ANA) 7
1 ショック (STA) 44
4 血管の施し (SIR) 98
4 信仰無き物あさり (SIS) 40
4 ヴォルダーレンの美食家 (VOW) 182
4 吸血鬼の口づけ (VOW) 136
2 屑鉄造りの雑種犬 (BRO) 164
4 夜の衝突 (SIS) 28
4 命取りの論争 (HBG) 150
4 血溜まりの洞窟 (NEO) 264
3 路面列車駅 (SNC) 258
4 批判家刺殺 (RNA) 115
Deck
4 Fiery Temper (J21) 71
7 Swamp (ANA) 5
4 Kitchen Imp (MH2) 89
7 Mountain (ANA) 7
1 Shock (STA) 44
4 Alms of the Vein (SIR) 98
4 Faithless Looting (SIS) 40
4 Voldaren Epicure (VOW) 182
4 Vampire's Kiss (VOW) 136
2 Scrapwork Mutt (BRO) 164
4 Bump in the Night (SIS) 28
4 Deadly Dispute (HBG) 150
4 Bloodfell Caves (NEO) 264
3 Tramway Station (SNC) 258
4 Skewer the Critics (RNA) 115

見ての通り、パウパー(紙のコモンだけが使えるフォーマット)にある【ブラッドバーン】を真似たデッキである。 このデッキは『イニストラードを覆う影リマスター』によるカードの追加によって構築可能となった。

特徴としては素早く相手のライフを削り切るバーンデッキであるが、カード間などのシナジーを活かし、途切れなくダメージを与え続けることができる。

《ヴォルダーレンの美食家》や《屑鉄造りの雑種犬》などのクリーチャーはクロックでありながら、《癇しゃく》や《台所のインプ》といったマッドネス持ちのカードを唱えることができる。 また、血トークンは手札入れ替えやマッドネスだけでなく、《命取りの論争》のコストにもなる。

バーンカードである《癇しゃく》、《批判家刺殺》などはコモンのカードにしては効率が良く、クリーチャー除去にもなる。 総じてコモン限定とは思えない速度と持久力があり、生半可なデッキには負けないパワーを持っている。

戦績

ヒストリックパウパーのイベントがそこまで頻繁に開かれるものではないので戦績はわからないが、少なくともイベントではストレートに3連勝できる力はある。

おわりに

ヒストリックパウパーは情報が少ないと思うので、意外と記事として需要があるのではないか。 他のおすすめデッキとしては【ゴブリン頑強】があるので、機会があれば紹介したい。

次の記事は《オークの弓使い》や《一つの指輪》が跋扈するアルケミーのデッキについて書くかも。

【MTG】赤白装備品【アルケミー】

はじめに

最近記事を書いていないので、簡単にデッキ紹介記事を書く。

 

デッキ

スタンダードではローテーション期間が伸びたり、禁止カードが出たりしているが、本記事はアルケミーのデッキを紹介する。デッキはこちらの【赤白装備品】:

【赤白装備品】

デッキ
3 最初の黄金守護、ジョー・カディーン (ONE) 203
6 山 (ANA) 7
6 平地 (ANA) 1
4 ケンバの装具役 (Y23) 2
4 耐え忍ぶカー、ケンバ (ONE) 19
4 武装あさり (Y22) 35
3 寸鉄の相棒 (Y22) 2
2 呪い金の大鎚 (Y23) 11
3 兎電池 (NEO) 157
4 一斉蜂起 (ONE) 144
4 戦場の鍛冶場 (BRO) 257
4 日没の道 (VOW) 266
2 見捨てられた交差路 (Y22) 63
3 離反ダニ、スクレルヴ (ONE) 33
1 皇国の地、永岩城 (NEO) 268
1 反逆のるつぼ、霜剣山 (NEO) 276
1 刃砦の戦鞭 (ONE) 197
1 バジリスクの首輪 (HBG) 253
1 梁町の殴り棒 (MOM) 131
2 激情で錬磨された者、ナヒリ (MAT) 36
1 市民の鉄梃 (SNC) 8

 

サイドボード
2 A-黎明運びのクレリック (AFR) 9
2 獅子の飾緒 (NEO) 26
3 溶鉄の衝撃 (Y22) 22
2 慈悲無き者、ナヒリ (ONE) 211
1 ゴバカーンへの侵攻 (MOM) 22
1 放浪皇 (NEO) 42
1 第三の道のロラン (BRO) 12
3 救済の波濤 (MOM) 41

 

どんなデッキ?

アルケミーで装備品デッキを使う利点として、スタンダードにはないアリーナオリジナルの装備品関連の優良カードが複数存在する。

例えば、《ケンバの装具役》。

1マナで装備品1つに装備(1)を付与できる優れものクリーチャー。これで1マナと驚くべき強さを持つ。

寸鉄の相棒》は1マナ装備品クリーチャーで、装備するたびにコピーが出てくる。

1マナとしては装備品としてもクリーチャーとしても便利だし、装備品の頭数を増やせるので嬉しい。

そして《武装あさり》。毎ターン装備品をドラフトできる。ついでに装備コストを下げてくれる。

ドラフトするのがアップキープ開始時とはいえ、2マナなので相手に除去を強制できるし、生き残ったら1枚で盤面を作れる。《ケンバの装具役》と組み合わせると装備コストを0にできる。《巨像の鎚》が出たら勝ち。

もちろん、メインボードにはスタンダードリーガルの《耐え忍ぶカー、ケンバ》や《兎電池》も採用している。《最初の黄金守護、ジョー・カディーン》は、トランプル持ちなのがありがたい。

新戦力《激情で錬磨された者、ナヒリ》はこのデッキだと装備品を並べやすいので、かなりコストを下げやすく、能力も強いのでかなりいい感じ。まだそんなに使ってないけど。ナヒリはスタンダードだと、《寸鉄の相棒》や《武装あさり》みたいな装備品生成カードがないのでうまく使うのは難しいだろう。ミラディンのために!もそんなに強いカードがないし。

デッキとしては見た目通りのアグロであるが、装備品デッキの特徴として粘り強く戦える(特に《武装あさり》がいると)。

 

Tips

今デッキに一番欲しいカードは《感動的な眺望所》。

 

結果

戦績は特にまとめてない。しかし、《波の巨人、クルシアス》入りミッドレンジやサクリファイスにも結構勝てている。少なくとも、あまり警戒されてないので対策カードがあまり採用されてなく戦いやすい(個人の感想です)。

 

おわりに

装備品デッキはマナフラに強く、戦闘をいっぱいできるので楽しくおすすめである。

1時間くらいで書き終えたかったので、手抜きっぽいがこれで終わりとする。

 

以上