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【MTG】『アルケミー:ドミナリア』【レビュー】

全世界80億人が待望した『アルケミー:ドミナリア』の全カードが、実装日の前日についに公開された。
本記事ではカードを一枚づつ見ていきながら、全カードをレビューする。評価が実際の強さと全然違ったら笑ってほしい(いや、むしろ後で笑うためにやるのだ)。

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magic.wizards.com

画像は貼らないので各自セルフサービスで見てほしい。

 

《ベナリアの騎士の助言者》

後援を持ち、後援されると次に出るクリーチャーに+1/+1カウンターを置くクリーチャー。
とりあえず1/2/1で能力持ちなので強そう。《執拗な仔狼》のような厄介さを感じる。

《可能性の司祭》

キーワード能力参照系のクリーチャー。
プロテクションも参照できる。《魂剥ぎ》とかと合わせたら良い(アリーナにはまだいない)。

《霧の月の引力》

いわゆる《忘却の輪》系エンチャント。
アルケミーでは《仮初めの時間》が近い。2マナでキッカーすると手札のパーマネント1枚に同じ能力を追加する。ほぼ強化版《仮初めの時間》として強そう。しかし、青マナでキッカーするのに青要素は特にない。

頭目の神官》

なんとパワー9をライブラリーに追加してくれるクリーチャー。
しかし、青のパワー9は強いが、アーティファクトのパワー9はマナを増やすだけなので、ゲーム後半で引いてもそこまで強くなさそう。たぶん1枚づつ創出するのだろうが、当たりが9枚中3枚ということになる。マナフラしないデッキ構築が大事か。
このカードが目玉カードっぽいのでこれの評価を外したら恥ずかしい。

《空書きのジン》

ETBで呪文書から手札を増やし、さらに版図でもう1枚もらえるかもしれないクリーチャー。
2枚ももらえるなんてお得だが、呪文書のカードが割りと弱め。《鏡割りの寓話》で手札を入れ替えたら強いか。タフネス4はわりと良い。

《発見の魔道士》

ETBでアーティファクトを抽出するクリーチャー。
なぜかライブラリーの一番上から10枚しか見ない。10枚なら外す可能性もかなり低そう。『兄弟戦争』でのアーティファクトシナジーに期待できるカード。
抽出した上でシャッフルを行っているのが特徴。

《ヴェズーヴァの霧》

トークン・土地以外のパーマネントをバウンスし、キッカーでその複写を手札に創出するインスタント。
トークンをバウンスできないのはキッカー能力との兼ね合いか。アルケミーでは出てすぐ仕事するパーマネントが多いのでバウンスが生きづらそう。《黙示録、シェオルドレッド》とかを複写したいところ。
黒マナでキッカーするのに黒要素は特にない。

《デアリガズの仔》

ドラゴンを引くたび、サイズアップするドラゴン。キッカーするとドラゴン1枚を抽出してさらにサイズアップ。地味に部族カードに対応している。
クリーチャーをサーチしてくれる能力はありがたい。アルケミーだと意外とドラゴン関連のカードが多く、真面目にドラゴンデッキを作れるかも。
赤マナでキッカーするのに赤要素は特にない。

《縮退した帰還者》

墓地から蘇る起動型能力を持つが、蘇るたびにサイズが小さくなるスケルトン。見た目が特徴的。
起動にかかるコストが小さいので墓地対策をかわしやすい。そのまま使うとどんどんサイズが小さくなるが、アルケミーなら永久に修整を与えるカードと相性がいいはず。とはいえ、素では《黙示録、シェオルドレッド》に止められるので微妙かも。

《骨を積む者、リーザグ》

タップ能力で自分の墓地のクリーチャーをアーティファクト化して唱えることができるクリーチャー。
強力な能力持ちクリーチャーをアーティファクト化すれば除去に当たりづらくなって良し。《税血の収穫者》みたいなタップ能力持ちを唱えて即起動すると愉快である。これ自身もアーティファクト化すれば召喚酔いせず起動できる(もちろんレジェンド・ルールは適用されるが)。意外と強いのでは?
見た目がかわいい。《窃取》に出てきた謎の生物か?

《煙霧吹きの戦車》

威迫・接死・絆魂を持ち、さらに攻撃時に搭乗したクリーチャーに3つの威迫・接死・絆魂から1つ与える機体。
接死をばら撒けるとかなり強いが、これ自体がアドバンテージを稼がないカードなので、アルケミー内だと弱そう。

《ギトゥの燃えさし巻き》

自分ターンに1回、手札のカード1枚をよりマナ総量の大きいカードに変えてくれるが、次のターンのうちに使わないといけないクリーチャー。果敢持ち。
《舞台照らし》のように追放したカードが使える期間が長いので、能力がスカになることはあまりないように見える。手札を捨てるので《運命の占者》と相性が良い(いや、《鏡割りの寓話》で良い!)。そこまで積極的に採用することはなさそう。

《ゴブリンの流入結界》

ゴブリンの赤マナ軽減を行い、さらに自分ターンに1回、呪文書からゴブリンを手札に追加するエンチャント。
マナ軽減の仕方が独特であり、この赤マナ軽減は不特定マナ軽減の上位版となっている。将来、紙でも実装できそうな能力である。全体として4マナのプレインズウォーカーのように扱えるエンチャントで、安定してアドバンテージを稼ぐことが可能。呪文書のゴブリン達も中々粒ぞろいに見えて強い。《空書きのジン》と同じように呪文書からドラフトする訳ではないので注意。

《ゴブリンの鼓舞隊長》

速攻・後援とさらにクリーチャーを複写する能力を持っているゴブリン。
とりあえずゴブリン部族なのでゴブリンデッキに採用できる。複写は速攻を持つので相手からすると圧力が強いだろう。

《呪文連鎖の散乱》

コピー系呪文のように見えて、コピーではなく手札に複写を行うインスタント。キッカーでしないと次のあなたの終了ステップのうちにそのカードを捨ててしまう。
前提としてキッカーしながら撃つことになりそう。しかしそのときは普通にマナを支払わなければならないので、弱い。青マナでキッカーするので青要素はある。
[キの字ではなく切除にしたほうが良さそうなカードである。]

《マーウィンの身内》

《養育者、マーウィン》とその仲間の《ラノワールのエルフ》を戦場に出すソーサリー。
クリーチャーは一緒に出るので《養育者、マーウィン》の能力も誘発するのは良い。エルフデッキは大抵マナがいっぱい出るので、そのマナの注ぎ口としても使える。とはいえ、ヒストリックで使われるカードではない。あくまでアルケミー用か。

《ナントゥーコの刻む者》

ETBで自分の墓地からカード1枚を回収できる能力を持ち、キッカーすると対戦相手の墓地からもカード1枚を複写として回収するクリーチャー。
普段は1マナ重い《永遠の証人》だが、1マナ追加するだけでさらに手札が増える。すごい。長期戦に強く、結構使われそう。

《蔦魂の蜘蛛》

1ターンに1回ランダムにライブラリーの土地を1枚墓地に置く蜘蛛。
何に使うのかはよく分からないが、とにかく墓地を肥やせる。2/3/2で到達持ちなのはアルケミーらしく強力な点。アンコモンなのでファンデッキで使われそう。

《さまようツリーフォーク》

クリーチャーを1枚抽出する起動型能力を持ち、版図でコストを軽減するクリーチャー。
アルケミーらしくスタッツは良好。しかもクリーチャーを確定で手札に増やしてくれるのは強力である。ただこういうカードを使おうとすると《ヴェールのリリアナ》に分からされると思ってしまう。

多色

《ウェザーライトの密航者、アルヴァード》

接死・絆魂を持つ2/1/1だが、あなたのターンに死んだクリーチャーの数だけサイズアップするクリーチャー。しかも墓地にいても誘発する。
墓地にいても能力が誘発するのはデジタルらしいが、強いかというと微妙。とにかくアドを稼がないカードは強く見えない。使うなら《救出専門家》と組み合わせてアグロ気味ミッドレンジデッキで採用するか。

《血芽吹きのタリスマン》

コスト軽減能力を持つ、マナ・アーティファクトのようなカード。
タップ能力でコスト軽減を行うため、効率で言えば普通のマナファクトと変わらない。ただこれはターンを跨いでコスト軽減が累積されるため、重いカードを唱えるのに向いているかもしれない。あとは《にやにや笑いのイグナス》みたいな悪いことするカードと組み合わせるなど。コンボ用カードか。

《シヴ山の王者、デアリガズ》

新デアリガズ。1ターンに1回ドラゴンを呪文書から創出するが、戦場に出るまで3ターンのタイムラグがある。
とりあえず1回誘発すれば3ターン後に出てくるため、アド損しにくい(今回こういうカードが多い)。1枚で盤面を構築できるため、強いと言えるカードではないだろうか。

《巨大戦車の行商人》

ETBで対象のプレイヤーの手札1枚を《巨大戦車》に変えるクリーチャー。
《巨大戦車》は『リミテッド・エディション』からあるクリーチャーだが、4/5/3なので何もしないほど弱いという訳ではない。単にハンデスとして使うと微妙そう。郷愁を感じたい人向けカード。

《愛される守護者、ニアンビ》

新ニアンビ。クリーチャーに過保護になれる。
能力が複雑で、強いかどうか想像できない系カード。どういうデッキに入るのか謎。

《変幻の戦争エンジン》

搭乗されるたび、最初に呪文書からドラフトした1枚のコピーになる機体。
呪文書には天使やドラゴンや人間などバラエティに富んだクリーチャーがある。《刃の歴史家》になって殺意を高めたり、《セラの模範》でアドバンテージを獲得したり様々。ただし、搭乗3は重い。2マナと軽いので狙ったカードが出れば強そう。

《サリッドの移植者、スライムフット》

新スライムフット。《不屈の釣り人》のようなドラフト能力を持っている。
呪文書はファンガスが多めだが、当たりとして《新緑の魔力》が入っている。前例にならってファンデッキ向けのカードに見える。基本土地タイプが特定されているのが辛いかも。

《テフェリーの備え》

打ち消し+打ち消した同名カードをコストを重くするインスタント。
色が合えばまあ使われる系カード。テフェリーの顔が渋い。

《天使の整備士、ティアナ》

新ティアナ。伝説のクリーチャー搭乗時に機体を永久に強化する能力を持つ。
永久でなければそこまでデジタルっぽくない能力。パワーしか強化してくれないのは悲しい。

《ヴォーデイリアの波魔道士》

あなたが戦闘ダメージを与えるたびに、自分のクリーチャー1体の複写を創出するクリーチャー。
場に出てすぐ能力を使えるので良い。マーフォークなので良い。3マナは割りと軽くて良い。三方良し。

無色

《連合の構築物》

選んだクリーチャー・タイプのロードのようになれる構築物。
強化が永久なので、ロードを除去されると弱いという欠点を克服している。狂戦士やドワーフのような弱小部族の希望かもしれない。違うかもしれない。多相を持っているわけではないので注意。

さいごに

個人的な強力カードは《シヴ山の王者、デアリガズ》、《ゴブリンの流入結界》、《骨を積む者、リーザグ》の3つである。この予想が当たっているか、実装が楽しみである。