デルバーはマジックの看板。

人間・ウィザードのゲーム感想ブログ。いろいろ工事中。

【クリア感想】ファイアーエムブレム エンゲージ

はじめに

ファイアーエムブレム エンゲージ』を初見クリアした。難易度はハードクラシックで、クリア時間は108時間だった。ここまで時間かけたゲームは初めてだったと思う。なお、DLCなしである。

9章までの感想記事はこちら。

futosuto.hatenablog.com

なお、以下の文章はネタバレ注意である。

 

ストーリー

序盤は神竜様ファンクラブが出てきたり、やっぴーや土下座など、癖のあるキャラが出てきてある意味不穏だったが、10章以降は思っていたよりシビアな展開があり、私がユニットロストしたのもあって一気にお話に引き込まれた。

話のテーマとしてはシンプルで、家族や紋章士との絆がストーリーの中で強調されていて分かりやすいシナリオだった。ただ、その家族というテーマの伝え方としては『if』より良かったと思う。主な敵である四狗の4人も最初はヘンテコ集団だと思ったが、終わってみればいい方々だったと思えた。個人的にはFEはストーリーよりも戦闘の面白さを重視しているので、ゲーム体験の邪魔にならないストーリー展開は評価できた。

支援会話も最初は紅茶や鍛錬の話が多かったが、支援レベルが深まったり、仲間が増えるにつれて内容に幅のある支援会話がなされた。私がクリアまでに見たものでもお気に入りのものが多く、女性を遠くから眺めていたいルイの支援会話や、ゴルドマリーとエーティエの支援会話などは心に残った。

 

紋章士

指輪を装備すると、過去作の主人公が背後霊となって一緒に戦ってくれる新システムは、カスタマイズ性と派手な能力を両立した良いアイデアだった。

ただ、割りと紋章士の中でも強さに格差があると思った。特に強いのがエンゲージなしでもサポート性能が高く、スキルも有用なカムイと、エンゲージ技の「計略:女神の舞」が強すぎるベレトの2人が群を抜いていた。他にも移動力アップと「再移動」継承が強いシグルドや、「流星群」でギミックブレイカーになるリン、居るだけでチェインアタックに参加してくれるルキナなどは装備させるユニットを選ばず強かった。

 

Tips

「再移動」や「引き戻し」を継承すると、ゲームは一気に楽になる。

 

戦闘など

戦闘システムは三すくみの復活や使用回数の撤廃、4マス以上の射程を持つ武器の不在など、『if』に近いものだった。

マップの大きさは過去作よりは狭く感じ、移動の手間は小さくなった。宝箱は鍵を持たなくても空けられるようになった代わりに、中身を盗むシーフが必ずマップに出てくるようになった。これにより、宝箱は実質的な時間制限として機能しており、緊張感のあるマップデザインに貢献していた。回避地形は騎馬の移動が不便にならないくらいに配置されていた。だが、索敵マップの存在は嫌だった。

敵に関しては、ハードでは特別なスキルを持っている雑魚敵はおらず予想外なダメージを食らうことはなかった。また、増援即行動もなかった(ルナティックは知らないが)。

過去作ではマップの詰めの段階になると消化試合になることが多かったが、本作は復活の石によりそれを回避していた。本作の敵の一部は復活の石を持っていて、倒すたびに石を使ってHPが全快する。この復活の石を本作のほとんどの敵将は持っているため、1ユニットで敵将にとどめを刺すことは不可能であり、最後まで反撃で倒されないかどうかの緊張感のあるゲームになっていた。この仕様のためか、クリア条件が敵将撃破になっているマップが多かった。また、こういった敵将にも竜呪のようなデバフが普通に効くのが良かった。

結論として、かなり楽しめた戦闘システムだといえた。

 

Tips

魔法武器であるいかづちの剣と炎の槍を比べると、いかづちの剣が完全に勝っている。

 

拠点

ソラネルという拠点では買い物ができたりミニゲームを遊ぶことができた。過去にも似たようなシステムはあったが、『風花雪月』のようにユニット全員に話しかけるインセンティブはなく、その点は楽だった。ただ、落ちているアイテムを拾うためにマップを駆け回る要素は同じようにあった。鍛錬の間では危険に晒すことなくユニットのレベル上げが可能であり、また紋章士との絆レベルを上げる訓練は使用回数に制限がないので非常に便利であった。また、武器レベル上げが不要なことや紋章士の存在から、ユニットの育成は過去作と比べてかなり楽だった。他にも、支援値を上げられる施設の存在は『if』の支援値稼ぎの大変さを考えると楽だった。知らなかったがこれはアップデートで追加されたらしい。また、同じくアップデートで追加された不思議な井戸は、スキル継承のためのSPが増えるスキルの書が手に入るため、これが追加された後はさらに楽になった。

総じて、育成の手間が省けてゲームがやりやすく感じた。

 

仲間

終章まで一緒に戦ってくれたユニット(いわゆる一軍)について感想を書く。ちなみに画像の能力値はアイテムによるドーピングを行った後の値である。

最後まで戦ったユニット

主人公

ご存知主人公。ゲーム序盤はとにかく火力不足と射程不足に悩み、ボウナイトに転職したこともあった。カムイが仲間になってからは竜脈を使うために神竜の王に再転職していた。気がついたら異常なまでに速さが伸びており、終盤はエンゲージ+も合わせて無敵の回避能力を誇っていた。

 

セアダス

シリーズおなじみの踊り子で、美容男子。シンプルな再行動枠で、『if』のアクアのように高い攻撃性能は特にない。武器は体術を使えるが、戦うことはあまりなく、ほぼ踊り専門だった。戦績も1桁台であった。「再移動」は継承させると便利。

 

セリーヌ

フィレネ王国の紅茶王女。最初は専用職にして育成していたが、見た目に反して力が伸びたため、マスターモンクに転職し、以降ずっと体術を使い続けた。同時期にいたディアマンドより力持ちだった。軍の中で唯一の体術使い(主人公とセアダスはほぼ体術を使わない)のため、武器のバランスも考えた結果一軍落ちすることはなかった。低い技は「天刻の拍動」で補った。攻撃役としては火力は高いが近距離武器しか使えず、移動力も5であるため微妙だった。だから最後にはブーツを履かせた。
クリアしてから分かったことだが体術は力と魔力の平均が威力に加算されるので、セリーヌは適任だったと思う。

 

ルイ

序盤から活躍したアーマー執事。物理攻撃がほぼ効かなくなるほどに守備が伸びた。カムイから「防陣」を継承すると本当に無敵になった。ルイの活躍がなければ辛い場面も多かった。MVPもよく取っていた。クラスは当然アーマーの上級職ジェネラルで、途中でグレートナイトになったこともあったがやっぱり最後はジェネラルに戻った。事故防止のために聖水を欠かさず飲んでいた。

 

メリン

珍獣大好き。元々メリンを育成した理由はカムイの「竜呪」を継承させるために、SPの高かったユニットを探したためである(その時はまだ井戸は配信されていなかった)。しかし、スキル継承を行ったあとに、「竜呪」を強く使うためにボウナイトにしたところ、ついでに持たせた光の弓の火力が高く(光の弓は威力19で弓のレベルS武器のそれより高い)、また総合値がやたら高く育ったため、軍の中でもかなりのユーティリティープレイヤーになった。ちなみにフォガートも光の弓のために育てたのだが、思ったほど魔力が伸びなかったため二軍落ちした。継承した「再移動」も強かった。

 

パネトネ

元ヤン。パネトネはそもそも力の初期値が高く、個人スキルも「HPが最大でないときに必殺が上がる」という強力なものだったため、即戦力採用だった。最初は素直にベルセルクだったのだが、成長すると技が頭打ちになったためウォーリアーに転職した。さらにその後、斧を全然使っていなかったことと、技を上げて確定必殺にしたいという理由からスナイパーに転職した。スナイパーの兵種スキル(必殺が上がる)は取る前にゲームが終わったが、それでも高い必殺率を誇り、軍の中でも最大火力となった。刻印されたキラーボウの必殺は100に達することもあった。
紋章士は主にリンを装備しており、速さが上がり、攻め立ても使える上に高火力の「流星群」も使えるため相性が良かった。
個人スキルを発動させるために、竜脈でよく焼かれていた。また、パネトネ相手に炎の竜脈を使うたびにスキンシップが発動して無意味になることがあった。
散策時に発する「ですます?」がかわいい。

 

ヴェイル

謎の少女。個人スキルから加入フラグが立っていたが、本当に仲間になるとは思わなかった。加入してからは一貫してカムイを装備して竜脈を使っており、ほぼサポートに徹していた。なので育成面では特に書くことがないのだ。
専用武器の名前が言いづらかった。

 

ユナカ

謎の流れ者。加入からしばらくは一軍で、カムイの「竜呪」を継承させようとしてSP不足で失敗してからはしばらく使っていなかった。しかし、シーフの隠密スタイルと霧の竜脈の相性がいいことに気づき、回避盾として再起用された。実際、魔道以外の攻撃は当たらない回避力は便利だった。軍唯一の短剣使いということもあり、一軍安定だった。
「やっぴー!」

 

アンナ

毎度おなじみ行商人。アンナさんは加入後ほとんど使っていなかったが、18章あたりで育成に余裕が出てきたため、なんとなくアンナさんを使いたいと思い育て始めた。今作の育成は紋章士のおかげで敵と戦わずして経験値を上げることが可能なため、思ったより楽だった。実際に育ててみると、異常に魔力と技が伸びることがわかり、セイジに転職して主力の魔法アタッカーになった。代わりにアイビーが一軍から外れた。
継承させたスキルがかなり適当だがそれでも強かった。

 

エーティエ

筋肉少女。序盤から活躍していた弓兵で、個人スキルは弱く総合値も低かったが、力だけは高かったので、最後まで戦えた。ただし、パネトネがスナイパーになった後は弓が被ってしまい、ブリューナク(槍のレベルS武器)と勇者の槍が余っていたためハルバーディアに転職した。エーティエは耐久が低いので使いづらかったが、反撃を受けなければ火力を存分にいかせた。

 

ゴルドマリー

かわいくてすみません系美少女。ゴルドマリーは個人スキルの効果が「相手が男性なら回避+20」だったことに注目し、回避盾としての育成を目指した。ゴルドマリーはユナカとは違って介護なしで回避盾になり、魔道相手でも避けるのが強み。だが回避を上げるスキルを持っているマルスがなかなか再加入しないため、この育成は結構難しかったかもしれない。育成しても速さはあまり上がらなかったが、武器の刻印の補正とソードマスターの能力補正、回避スキルの補正を合わせると斧相手なら個人スキルなしでも命中0%にすることができた。
しかし、遠距離武器がいかづちの剣頼りなこともあり、火力不足には常に悩まされた。また、育成が完了した頃に主人公がエンゲージ+必須とはいえ最強の回避盾になったのは微妙な気持ちになった。
なお、本来なら「防陣」を継承するSPは残っていなかったのだが、プレイ途中でソラネルに井戸ができたため、継承することができた。
これは記事を書いている時に気がついたのだが、メリンがゴルドマリーより10以上も速さが高いため、個人スキル込みでも回避盾に向いていただろう。あと、ゴルドマリーの守備がカンストしていてもったいなかった。

 

モーヴ

四狗の裏切り者。個人スキルからして加入フラグが立っていた。初期値が高く、物理と魔法どちらも使えるなど育成の自由度は高そうだった。炎の槍よりいかづちの剣の方が明らかに強かったため、初期兵種のロイアルナイトから剣のグリフォンナイトにした。見た目が似合ってないこと以外は想定通りの活躍をしてくれた。

 

パンドロ

ウェーイ系信徒。魔法ユニットをロストしてしまったため、その穴を埋めるように起用された。魔道士としては理想的な能力の伸び方をしており、力はまったく伸びなかったためセイジに転職した。個人スキルが強力で魔法を安定して命中させることができた。最後には魔法職の中でも信仰スキルを持たせて妨害杖を使う役目に落ち着いた。育成の手間もかからないので、加入タイミング的に敬遠されそうだがかなり優秀なユニットに思えた。
支援会話だと気安くていい奴だった。

 

ジェーデ

物書き騎士。終盤の24章手前にて、斧を持つユニットがいなくなったため急遽育て始めた。なぜジェーデかというと、斧のレベルS武器が余っていたのと、意外と魔力の初期値が高く、風の大斧を使えそうだったため。兵種は斧グリフォンナイトにした。そこまで一切育ててなかったため、育成が間に合うか心配だったが、さすがに間に合わなかった。しかしそのまま終章にも起用されたが……
振り返ってみるとわざわざジェーデを育てずとも、育成途中だったロサードやフランを転職させれば良かった気がする。

 

Tips

王族はセリーヌ以外みんな二軍落ちした。セリーヌは唯一の体術使いという聖域だったので守られた。

 

ロストしたユニット

残念ながら死亡してしまったユニットに関して書く。なお、竜の時水晶は縛っている訳ではないができるだけ使わないようにしていた。

ジャン

本作の良成長村人として期待がかかっていたが、10章にてアーマーの斧をくらって死亡。

 

ブシュロン

なかなか強そうな個人スキルを持っていたが、10章においてオルテンシアに攻撃され死亡。10章ではオルテンシアのフリーズを忘れていたせいでルイが危険にさらされ、それを助けるために他のユニットが犠牲になってしまった。

 

シトリニカ

主力の魔法ユニットとして活躍していたが、13章の索敵マップにて1ターン目に死亡。暗がりに隠れて一番近くにいた敵に気づかずに移動したら、もう手遅れになっていた。上級職にクラスチェンジした直後だった。本件から、気功や杖、再行動ができるユニットはなるべく最後に行動させるべきだと学んだ。

 

クロエ

高い回避力で回避盾として有望だったが、リーフ外伝にて死亡。弓の範囲に入っているのに気づかずにあっさりとやられてしまった。

 

リンデン

主人公にサンダーを当てようとするなど危険人物だったが、加入した次の章の19章にて死亡。アイビーの代わりに出撃していたが、うっかりモーヴのワープ攻撃の範囲内に入ってしまった。彼が犠牲になったことで、同じく攻撃範囲に入っていた他のユニットが助かったともいえた。

 

ジェーデ

終盤にいきなり育成開始するなど無茶振りをされていたが、終章にてまさかの死亡。ラスボスの範囲攻撃の範囲に入っているのにまったく気づかずにフェイズを終わらせてしまったため、騎士ジェーデは塵となってしまった。ちなみに、同じく範囲に入っていた手負いのパネトネはギリギリHP1残って助かったという。

 

他のユニット

一軍にはならなかったが、印象に残ったユニットを紹介。

フラン

推し活双子の片割れ。序盤から魔法ユニットとして使い、後半に入っていてもグリフォンナイトでいかづちの剣を振るうなどしていたが、モーヴが加入したことによりお役御免になった。ただ、フランは神回避で2度も危機を脱したことがあったため、印象に残っている。

 

アイビー

前が見辛そう王女。専用職により飛行しながら魔法が撃て、能力値も高かったので長いこと一軍だったが、常に幸運の低さに悩まされていた。途中から育てたアンナさんが思いのほか強く育ったのもあって、一軍から外れてしまった。彼女に使った幸運ドーピングアイテムも無駄になった。

 

ロサード

かわいくてかっこいい系男子。個人スキルのおかげで斧でも高い命中率を持っており、魔力もあって風の大斧も使えたが、微妙に火力が足りないということが多く一軍から外れた。しかし、ジェーデをわざわざ育てるくらいなら、ロサードを使えばよかったと今になっては思った。

 

オルテンシア

世界一かわいい王女。アイビーと似て飛行の魔法職だが、火力がそこまで高くなく、守備も低い故にアイビーとは違う理由で安定しなかったため一軍にはならなかった。あと、ジャンとブシュロンの仇なので(人のせいにするな、ユニットを動かしたのは自分だろ)。

 

おわりに

最初は不穏だったが、終わってみればかなり楽しむことができた作品だった。2周目はDLCを購入してルナティックで遊びたいと思う。なるべく1周目で使っていないユニットやロストしたユニットを使っていきたい。ラピスはいつも貧乏くさいことを言っているがどんなユニットなのか気になる。料理の話しかしないボネも支援会話が見てみたい。あと、1周目はセリーヌしか一軍に王族がいなかったため、ちゃんと王族を使ってあげたい。1週目は指輪を渡すの忘れてたため、それもやりたい。

(2週目は竜脈以外も使わせろ波!)

 

それではまた。