デルバーはマジックの看板。

人間・ウィザードのゲーム感想ブログ。いろいろ工事中。

【MTG】アンコモン2枚でコンボ!黒緑フード【実験的な菓子職人】

はじめに

『エルドレインの森』が発売されてから、すでに色々な構築が結果を出している。《豆の木をのぼれ》や《木苺の使い魔》のような予想外の使われ方をしたカードも活躍している。

私もリストを探し、まだ活躍していないけど強力なカードがあるか探していたところ、一枚のカードに気づいた。 《実験的な菓子職人》。

《実験的な菓子職人》

私はこのカードは見たことがなかったが、特殊ブースター限定カードであり、ドラフト・ブースターからは出ないため、知名度も低いだろう。 しかし、調べてみると面白いコンボがあることが分かった。このカードを軸にしたアルケミーのコンボデッキを紹介しよう。

デッキ

《実験的な菓子職人》は、「戦場に出たとき食物トークンを生み出す能力」と、「食物を生け贄に捧げるたびにネズミトークンを生成する能力」の2つを持つ。注目すべきは2つ目の能力で、1ターンの回数制限がなく、マナもかからない誘発型能力である。つまり、コンボに使えるということである。 コンボの相方となるのは《ペレグリン・トゥック》。

ペレグリン・トゥック》

このクリーチャーは「トークンを生成するとき、追加で食物1つを生成する」能力と「食物3つを生け贄に捧げて1枚ドローする」能力を持つ。これら2枚が揃うと無限ループが発生する。 そしてこれらはちょうどアルケミーに同居する2枚である。今回はアルケミーで、黒緑の2色を使った【黒緑フードコンボ】を組んだ。

戦術

具体的なコンボ内容を説明する。

必要なもの

《実験的な菓子職人》と《ペレグリン・トゥック》、食物3つ以上が戦場に存在する。

手順

  1. ペレグリン・トゥック》の起動型能力で食物3つを生け贄に捧げる
  2. 《実験的な菓子職人》の能力が誘発し、ネズミトークン3体を生成すると同時に、《ペレグリン・トゥック》の能力で食物トークン3つ生成され、さらに1枚ドロー
  3. 食物3つが戦場にあるので、1に戻る

結果

ライブラリーの続く限りドロー&引いた枚数の3倍のネズミトークン生成!勝利!

さらに強く

これは3マナクリーチャー2枚+αで決まるコンボであり、出す順番自体はコンボに関係ないので決めやすい。 しかし、(半)無限ドロー&(半)無限トークンを行っても、コンボを決めたターンには勝つことはできない。 トークンで攻撃するにしても、その前にライフを削られたり、《一つの指輪》でプロテクションされてから全除去されては意味がない。ゲームに勝つためには、コンボを決めたターンに勝つことが必須である。

マナが十分にある状態でコンボを開始したなら問題ないが、マナがギリギリの状態でコンボした場合、マナを使用せずに勝つカードをプレイする必要がある。しかしアルケミーのカードプールでそんなカードが……

あった。

《溜め込む親玉》

《溜め込む親玉》は召集を持つ黒のクリーチャーなため、無限のネズミトークンで戦場に出せる。また、ETB能力で好きなカードをライブラリーから追放し、召集付きで唱えることができる。 そして、今回のコンボは無限ドローも兼ね備えるため、《溜め込む親玉》がライブラリーに1枚でもあれば、それを唱えることができ、そこから好きなカードをマナを使わず唱えることができる訳である。

《溜め込む親玉》から唱えるカードには、《闇の森のコウモリ》を採用する。《闇の森のコウモリ》はトークンを生成&生け贄で対戦相手のライフを1点失わせる誘発型能力を持つ。統率者戦では力を発揮するクリーチャーのようだが、二人対戦では4マナの弱いクリーチャーなのが懸念点である。それでも《闇の森のコウモリ》を採用した理由として、

  • 黒単色である(召集で唱えるため、黒か、緑1マナ分しか払えない)
  • 《一つの指輪》の上から勝てる(能力が対象を取らないので)
  • ライフを詰めるスピードが早く、《ペレグリン・トゥック》1回起動で9点削れる(アリーナではありがたい)

があげられる。もっとも、アルケミーの範囲ではこれくらいしか選択肢が無かったのが一番の理由だ。基本的には引いてはいけないカードである(《食肉鉤虐殺事件》があれば……)。 他の候補として《菓子の復讐の夜》があるが、このデッキでは採用しなかった。

デッキリスト

デッキ
4 実験的な菓子職人 (WOE) 314
7 森 (ANA) 9
7 沼 (ANA) 5
4 ペレグリン・トゥック (LTR) 181
4 数々の別れ (LTR) 176
1 ガムドロップの毒殺者 (WOE) 93
2 キャンディーの道標 (WOE) 243
1 溜め込む親玉 (MOM) 110
1 闇の森のコウモリ (LTR) 95
1 黙示録、シェオルドレッド (DMU) 107
3 執念の徳目 (WOE) 115
3 チーム結成 (Y23) 17
3 鏡に願いを (WOE) 82
1 羅利骨灰 (DMU) 183
1 眠らずの小屋 (WOE) 258
2 喉首狙い (BRO) 102
4 ラノワールの荒原 (BRO) 264
4 ジャングルのうろ穴 (MOM) 270
4 オークの弓使い (LTR) 103
1 締めつける瘴気 (DMU) 86
1 一つの指輪 (LTR) 246
1 おかわり (WOE) 80

デッキの脇を固めるカードとして、《鏡に願いを》や《チーム結成》といったサーチカード、食物を出す《キャンディーの道標》や《数々の別れ》などを採用している。 また、サーチカードが多いことを活かし、1枚採用のカードを増やしてシルバーバレット戦略が取れるようにしている。

Tips

ペレグリン・トゥック》の能力はインスタントタイミングで起動できるので、相手ターンでもコンボできる。

感想

コンボが求める食物3つは、デッキに《数々の別れ》のようなカードのおかげで難しくなかった。 更地の盤面から、2体を出して急に勝つ爽快感は大きい。相手がコンボを知らないなら決めやすいだろう。 コンセプト通りに、相手が《一つの指輪》を出してタップアウトした次のターンにコンボを決めて勝つこともあった。

しかし、結局はクリーチャーコンボのため、適当にクリーチャーを出すと簡単に除去されてしまう。6マナぶん溜めてから一気にコンボを決めた方が勝ちやすい。 また、アリーナにおける無限コンボは時間切れの危険性があるが、このコンボは引きにもよるが割りと早く終わり、手順も簡単なため限界まで引いても時間切れは起きにくい。

問題点としては、アルケミーの環境ではドロー対策カードの《黙示録、シェオルドレッド》と《オークの弓使い》がはびこっていることである。あらかじめ除去しておかないとコンボを開始できない。 また、《溜め込む親玉》がいても確実に勝てる訳ではない点に注意。先に《闇の森のコウモリ》を引いていると《溜め込む親玉》で追放できなくて召集できないし、最悪《溜め込む親玉》を引いてもライブラリーに土地しかない、ということもありうる(実際にあった)。とはいえ《溜め込む親玉》の枚数を増やすとデッキに引いてはいけないカードが増えるのがもどかしい。なんらかの次善の策を用意しておいたほうがいいだろう。もっとも、そのターンのうちに勝つ必要がなければ問題はないが。

本記事を書くためにBO1でしか試していない。BO3ではコンボを対策を受けやすいが、こちらもサーチカードから対策カードを引っ張ってこれるなど、悪い面ばかりではないため、BO3でも試してみたいと思う。

今回はここまで。