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人間・ウィザードのゲーム感想ブログ。いろいろ工事中。

【MTG】超ド級の五者会談【ヒストリック】

はじめに

あなたは《五者会談》を知っているだろうか。

《五者会談》

そう、『ニューカペナの街角』の神話レアにして、5色8マナの超強力カードである。
唱えると、10枚の衝動的ドローと10マナをもたらしてくれる。ただし、衝動的ドローした10枚の中のちょうど3色のカードしか唱えられないし、加えた10マナもちょうど3色のカードにしか使えない。つまりちょうど3色専用カードである(五者なのに3色サポートとはややこしい)。

本記事ではMTGアリーナのヒストリックフォーマットで作成した《五者会談》デッキを紹介しよう。相棒に《空を放浪するもの、ヨーリオン》を指定した、80枚デッキとなっている。

デッキリスト
相棒
1 空を放浪するもの、ヨーリオン (IKO) 232

デッキ
2 ゼイゴスのトライオーム (IKO) 259
1 ラウグリンのトライオーム (IKO) 251
1 草むした墓 (GRN) 253
1 貴顕廊一家の魔除け (SNC) 199
1 憑依された峰 (MID) 263
1 インダサのトライオーム (IKO) 248
1 難破船の湿地 (MID) 267
4 見捨てられた交差路 (Y22) 63
2 妖艶な泥棒、コルメラ (SNC) 177
1 古き道のナーセット (IKO) 195
1 ジェトミアの庭 (SNC) 250
2 敵意ある乗っ取り (SNC) 191
1 見事な根本原理 (IKO) 191
1 ケトリアのトライオーム (IKO) 250
2 土建組一家の魔除け (SNC) 217
1 豪火を放て (SNC) 229
2 ラフィーンの塔 (SNC) 254
2 原初の災厄、ザカマ (RIX) 174
1 寺院の庭 (GRN) 258
1 スパーラの本部 (SNC) 257
2 終わりなき迂回 (SNC) 183
2 ザンダーの居室 (SNC) 260
4 信仰の繕い (MID) 221
1 アダーカー荒原 (DMU) 243
2 湿った墓 (GRN) 259
1 ヤヴィマヤの沿岸 (DMU) 261
1 日没の道 (VOW) 266
4 五者会談 (SNC) 202
4 ミジックスの熟達 (STA) 43
4 蔓延する窃盗 (SNC) 130
4 染みついた耽溺 (SNC) 227
3 運命の占者 (Y22) 22
2 神聖なる泉 (RNA) 251
2 嵐削りの海岸 (VOW) 265
1 夢根の滝 (VOW) 262
2 暴君の嘲笑 (WAR) 225
2 消失の詩句 (STX) 244
1 守秘義務 (Y22) 19
4 成長のらせん (RNA) 178
1 破滅の根本原理 (IKO) 204
1 島 (ANA) 3
1 コイロスの洞窟 (DMU) 244
1 清水の小道 (ZNR) 260
1 包囲サイ (KTK) 200

サイドボード
1 空を放浪するもの、ヨーリオン (IKO) 232
1 消失の詩句 (STX) 244
1 選別の儀式 (STX) 172
1 稲妻のらせん (STA) 62
1 常夜会一家の魔除け (SNC) 208
1 覆いを割く者、ナーセット (WAR) 61
1 魂標ランタン (THB) 237
2 敏捷な窃盗犯 (SNC) 205
1 絶滅の契機 (IKO) 88
2 ドビンの拒否権 (WAR) 193
1 思考囲い (AKR) 127
1 虚空裂き (SNC) 230
1 強迫 (MID) 98

(マナベースが適当だったり採用カードに一貫性がなかったりするが、大目に見てほしい。)

会談のためのプラン

そのままだと8マナもかかる《五者会談》を唱えるためのプランとして、以下の3つがある。

  • マナ加速をして唱える

  • 《蔓延する窃盗》の秘匿から唱える

  • 《ミジックスの熟達》から唱える

まず1つ目のプランだが、ヒストリックというフォーマットにて単純にマナ加速をして唱えるのは遅すぎる。よってこれはゲームがもたついたときのサブプランになる。
2つ目は、このデッキに採用されている一風変わったカード《蔓延する窃盗》を利用する。

《蔓延する窃盗》

このエンチャントは、自分が多色の呪文を唱えるたびに宝物を生み出し、さらにその後5色5マナを払うことで秘匿したカードをタダで唱える事ができる。結局マナ払っているじゃないか、と思うかもしれないが、払うことは強制ではないので、単純にマナを増やす用途としても使いやすい。このカードのために2色2マナのカードを採用している。また、踏み倒しは宝物生成のあとに行われるので、2マナ多色カードを唱えるときに6マナあれば、踏み倒しが行える。
3つ目は、ヒストリックに許された強力カード、《ミジックスの熟達》から唱える方法である。

《ミジックスの熟達》

《ミジックスの熟達》は唱えると自分の墓地からインスタントかソーサリーを1枚踏み倒せる。このデッキにおいては《染みついた耽溺》や《信仰の繕い》で手札のカードを墓地に落とし、そこから踏み倒しを行うことができる。《五者会談》を唱えると差し引き4マナもお得である。ちなみに《五者会談》は唱えても《出現の根本原理》のように追放されないので、一度唱えた《五者会談》をもう一度墓地から唱えることもできる。おまけに、超過コストで唱えると墓地のカードをすべて唱えるおまけもついている。

《五者会談》から唱えて嬉しいカード

《原初の災厄、ザカマ》は最も相性の良いカード。唱えると土地がアンタップするので次のカードに繋がりやすくなる。《蔓延する窃盗》が置いてあるならなおのことである。他のカードと組み合わせれば1ターンに2回以上《五者会談》を唱えることだってできる。

《原初の災厄、ザカマ》

《破滅の根本原理》は相手の土地以外のパーマネントをすべて破壊する。特に《九つの命》と《厳粛》で無敵になっているエンチャントレス相手をぶっ飛ばすと気持ちいいカードだ。他の根本原理サイクルでは《見事な根本原理》も状況を問わず撃てて強い。

《破滅の根本原理》

3色でデッキに入るカードは他にも《妖艶な泥棒、コルメラ》や魔除けサイクルなどが優秀だと感じたが、やはり《原初の災厄、ザカマ》が最も優れていた。

雑感

《ミジックスの熟達》や《蔓延する窃盗》から《五者会談》を踏み倒すのは楽しいし、そのまま勝つゲームも多かった。

しかし、デッキに入ってる3色のカードの枚数がギリギリなので、たまに《五者会談》を唱えてもなにも追放しないことがあった*1。そうなると悲しいので、手札に3色カードを持っているときに唱えたほうがいいかもしれない。そういう意味では、他の踏み倒し系デッキとは違ってフィニッシャーを引いていても腐らないのが強みである。

デッキの強さとしては、ある程度遅いミッドレンジなどを相手にすると有利に立ち回れたが、エルフや人間デッキのような素早い部族デッキには太刀打ちできなかった。そういう相手にはコンセプトを崩してでも単色の対策カードを入れるべきか。また、ドラゴンストームや不屈の独創力コンボのような、よりコンボに傾倒したデッキには素早さで劣る面があった。

まとめ

今回はヒストリックでの《五者会談》デッキを紹介した。しかし、私の作ったデッキリストも《五者会談》デッキのほんの一例だろう。読者のみなさんもぜひ実際に《五者会談》を使ってみて独自のデッキを作って欲しい。

では!

*1:詳しい計算は省くが、大体デッキの5分の1以上が3色であれば90%の確率で1枚以上追放できる。たぶん。

【MTG】『アルケミー:ドミナリア』【レビュー】

全世界80億人が待望した『アルケミー:ドミナリア』の全カードが、実装日の前日についに公開された。
本記事ではカードを一枚づつ見ていきながら、全カードをレビューする。評価が実際の強さと全然違ったら笑ってほしい(いや、むしろ後で笑うためにやるのだ)。

リストはこちら↓

magic.wizards.com

画像は貼らないので各自セルフサービスで見てほしい。

 

《ベナリアの騎士の助言者》

後援を持ち、後援されると次に出るクリーチャーに+1/+1カウンターを置くクリーチャー。
とりあえず1/2/1で能力持ちなので強そう。《執拗な仔狼》のような厄介さを感じる。

《可能性の司祭》

キーワード能力参照系のクリーチャー。
プロテクションも参照できる。《魂剥ぎ》とかと合わせたら良い(アリーナにはまだいない)。

《霧の月の引力》

いわゆる《忘却の輪》系エンチャント。
アルケミーでは《仮初めの時間》が近い。2マナでキッカーすると手札のパーマネント1枚に同じ能力を追加する。ほぼ強化版《仮初めの時間》として強そう。しかし、青マナでキッカーするのに青要素は特にない。

頭目の神官》

なんとパワー9をライブラリーに追加してくれるクリーチャー。
しかし、青のパワー9は強いが、アーティファクトのパワー9はマナを増やすだけなので、ゲーム後半で引いてもそこまで強くなさそう。たぶん1枚づつ創出するのだろうが、当たりが9枚中3枚ということになる。マナフラしないデッキ構築が大事か。
このカードが目玉カードっぽいのでこれの評価を外したら恥ずかしい。

《空書きのジン》

ETBで呪文書から手札を増やし、さらに版図でもう1枚もらえるかもしれないクリーチャー。
2枚ももらえるなんてお得だが、呪文書のカードが割りと弱め。《鏡割りの寓話》で手札を入れ替えたら強いか。タフネス4はわりと良い。

《発見の魔道士》

ETBでアーティファクトを抽出するクリーチャー。
なぜかライブラリーの一番上から10枚しか見ない。10枚なら外す可能性もかなり低そう。『兄弟戦争』でのアーティファクトシナジーに期待できるカード。
抽出した上でシャッフルを行っているのが特徴。

《ヴェズーヴァの霧》

トークン・土地以外のパーマネントをバウンスし、キッカーでその複写を手札に創出するインスタント。
トークンをバウンスできないのはキッカー能力との兼ね合いか。アルケミーでは出てすぐ仕事するパーマネントが多いのでバウンスが生きづらそう。《黙示録、シェオルドレッド》とかを複写したいところ。
黒マナでキッカーするのに黒要素は特にない。

《デアリガズの仔》

ドラゴンを引くたび、サイズアップするドラゴン。キッカーするとドラゴン1枚を抽出してさらにサイズアップ。地味に部族カードに対応している。
クリーチャーをサーチしてくれる能力はありがたい。アルケミーだと意外とドラゴン関連のカードが多く、真面目にドラゴンデッキを作れるかも。
赤マナでキッカーするのに赤要素は特にない。

《縮退した帰還者》

墓地から蘇る起動型能力を持つが、蘇るたびにサイズが小さくなるスケルトン。見た目が特徴的。
起動にかかるコストが小さいので墓地対策をかわしやすい。そのまま使うとどんどんサイズが小さくなるが、アルケミーなら永久に修整を与えるカードと相性がいいはず。とはいえ、素では《黙示録、シェオルドレッド》に止められるので微妙かも。

《骨を積む者、リーザグ》

タップ能力で自分の墓地のクリーチャーをアーティファクト化して唱えることができるクリーチャー。
強力な能力持ちクリーチャーをアーティファクト化すれば除去に当たりづらくなって良し。《税血の収穫者》みたいなタップ能力持ちを唱えて即起動すると愉快である。これ自身もアーティファクト化すれば召喚酔いせず起動できる(もちろんレジェンド・ルールは適用されるが)。意外と強いのでは?
見た目がかわいい。《窃取》に出てきた謎の生物か?

《煙霧吹きの戦車》

威迫・接死・絆魂を持ち、さらに攻撃時に搭乗したクリーチャーに3つの威迫・接死・絆魂から1つ与える機体。
接死をばら撒けるとかなり強いが、これ自体がアドバンテージを稼がないカードなので、アルケミー内だと弱そう。

《ギトゥの燃えさし巻き》

自分ターンに1回、手札のカード1枚をよりマナ総量の大きいカードに変えてくれるが、次のターンのうちに使わないといけないクリーチャー。果敢持ち。
《舞台照らし》のように追放したカードが使える期間が長いので、能力がスカになることはあまりないように見える。手札を捨てるので《運命の占者》と相性が良い(いや、《鏡割りの寓話》で良い!)。そこまで積極的に採用することはなさそう。

《ゴブリンの流入結界》

ゴブリンの赤マナ軽減を行い、さらに自分ターンに1回、呪文書からゴブリンを手札に追加するエンチャント。
マナ軽減の仕方が独特であり、この赤マナ軽減は不特定マナ軽減の上位版となっている。将来、紙でも実装できそうな能力である。全体として4マナのプレインズウォーカーのように扱えるエンチャントで、安定してアドバンテージを稼ぐことが可能。呪文書のゴブリン達も中々粒ぞろいに見えて強い。《空書きのジン》と同じように呪文書からドラフトする訳ではないので注意。

《ゴブリンの鼓舞隊長》

速攻・後援とさらにクリーチャーを複写する能力を持っているゴブリン。
とりあえずゴブリン部族なのでゴブリンデッキに採用できる。複写は速攻を持つので相手からすると圧力が強いだろう。

《呪文連鎖の散乱》

コピー系呪文のように見えて、コピーではなく手札に複写を行うインスタント。キッカーでしないと次のあなたの終了ステップのうちにそのカードを捨ててしまう。
前提としてキッカーしながら撃つことになりそう。しかしそのときは普通にマナを支払わなければならないので、弱い。青マナでキッカーするので青要素はある。
[キの字ではなく切除にしたほうが良さそうなカードである。]

《マーウィンの身内》

《養育者、マーウィン》とその仲間の《ラノワールのエルフ》を戦場に出すソーサリー。
クリーチャーは一緒に出るので《養育者、マーウィン》の能力も誘発するのは良い。エルフデッキは大抵マナがいっぱい出るので、そのマナの注ぎ口としても使える。とはいえ、ヒストリックで使われるカードではない。あくまでアルケミー用か。

《ナントゥーコの刻む者》

ETBで自分の墓地からカード1枚を回収できる能力を持ち、キッカーすると対戦相手の墓地からもカード1枚を複写として回収するクリーチャー。
普段は1マナ重い《永遠の証人》だが、1マナ追加するだけでさらに手札が増える。すごい。長期戦に強く、結構使われそう。

《蔦魂の蜘蛛》

1ターンに1回ランダムにライブラリーの土地を1枚墓地に置く蜘蛛。
何に使うのかはよく分からないが、とにかく墓地を肥やせる。2/3/2で到達持ちなのはアルケミーらしく強力な点。アンコモンなのでファンデッキで使われそう。

《さまようツリーフォーク》

クリーチャーを1枚抽出する起動型能力を持ち、版図でコストを軽減するクリーチャー。
アルケミーらしくスタッツは良好。しかもクリーチャーを確定で手札に増やしてくれるのは強力である。ただこういうカードを使おうとすると《ヴェールのリリアナ》に分からされると思ってしまう。

多色

《ウェザーライトの密航者、アルヴァード》

接死・絆魂を持つ2/1/1だが、あなたのターンに死んだクリーチャーの数だけサイズアップするクリーチャー。しかも墓地にいても誘発する。
墓地にいても能力が誘発するのはデジタルらしいが、強いかというと微妙。とにかくアドを稼がないカードは強く見えない。使うなら《救出専門家》と組み合わせてアグロ気味ミッドレンジデッキで採用するか。

《血芽吹きのタリスマン》

コスト軽減能力を持つ、マナ・アーティファクトのようなカード。
タップ能力でコスト軽減を行うため、効率で言えば普通のマナファクトと変わらない。ただこれはターンを跨いでコスト軽減が累積されるため、重いカードを唱えるのに向いているかもしれない。あとは《にやにや笑いのイグナス》みたいな悪いことするカードと組み合わせるなど。コンボ用カードか。

《シヴ山の王者、デアリガズ》

新デアリガズ。1ターンに1回ドラゴンを呪文書から創出するが、戦場に出るまで3ターンのタイムラグがある。
とりあえず1回誘発すれば3ターン後に出てくるため、アド損しにくい(今回こういうカードが多い)。1枚で盤面を構築できるため、強いと言えるカードではないだろうか。

《巨大戦車の行商人》

ETBで対象のプレイヤーの手札1枚を《巨大戦車》に変えるクリーチャー。
《巨大戦車》は『リミテッド・エディション』からあるクリーチャーだが、4/5/3なので何もしないほど弱いという訳ではない。単にハンデスとして使うと微妙そう。郷愁を感じたい人向けカード。

《愛される守護者、ニアンビ》

新ニアンビ。クリーチャーに過保護になれる。
能力が複雑で、強いかどうか想像できない系カード。どういうデッキに入るのか謎。

《変幻の戦争エンジン》

搭乗されるたび、最初に呪文書からドラフトした1枚のコピーになる機体。
呪文書には天使やドラゴンや人間などバラエティに富んだクリーチャーがある。《刃の歴史家》になって殺意を高めたり、《セラの模範》でアドバンテージを獲得したり様々。ただし、搭乗3は重い。2マナと軽いので狙ったカードが出れば強そう。

《サリッドの移植者、スライムフット》

新スライムフット。《不屈の釣り人》のようなドラフト能力を持っている。
呪文書はファンガスが多めだが、当たりとして《新緑の魔力》が入っている。前例にならってファンデッキ向けのカードに見える。基本土地タイプが特定されているのが辛いかも。

《テフェリーの備え》

打ち消し+打ち消した同名カードをコストを重くするインスタント。
色が合えばまあ使われる系カード。テフェリーの顔が渋い。

《天使の整備士、ティアナ》

新ティアナ。伝説のクリーチャー搭乗時に機体を永久に強化する能力を持つ。
永久でなければそこまでデジタルっぽくない能力。パワーしか強化してくれないのは悲しい。

《ヴォーデイリアの波魔道士》

あなたが戦闘ダメージを与えるたびに、自分のクリーチャー1体の複写を創出するクリーチャー。
場に出てすぐ能力を使えるので良い。マーフォークなので良い。3マナは割りと軽くて良い。三方良し。

無色

《連合の構築物》

選んだクリーチャー・タイプのロードのようになれる構築物。
強化が永久なので、ロードを除去されると弱いという欠点を克服している。狂戦士やドワーフのような弱小部族の希望かもしれない。違うかもしれない。多相を持っているわけではないので注意。

さいごに

個人的な強力カードは《シヴ山の王者、デアリガズ》、《ゴブリンの流入結界》、《骨を積む者、リーザグ》の3つである。この予想が当たっているか、実装が楽しみである。