デルバーはマジックの看板。

人間・ウィザードのゲーム感想ブログ。いろいろ工事中。

【MTG】『エルドレインの森』で鏡割りの寓話を探す【レビュー】

はじめに

すべてのカードセットレビューは、後で見直すためにある。

9月8日発売(デジタルでは9月5日発売)の新セット『エルドレインの森』の全カードが公開された。

↓カードリストはこちら↓(本セットからページの見た目が変わった)

https://magic.wizards.com/ja/products/wilds-of-eldraine/card-image-gallery?cigfreshness=all&cigproduct=all&cigset=WOE

この記事では『エルドレインの森』のカードを、MTGアリーナ目線で強そうなカードや気になったカードを一部抜粋しながら、未来の《鏡割りの寓話》を探す。予想を外したら笑ってほしい。

今回も各カードを、パワー・隠れ度・価格度という3つの評価の観点で評価する。

パワーはそのカードの強さであり、これを1から5の値で評価を行う。数字が大きいほど強いカードであると予想したことを表す。

隠れ度はそのカードがプレビュー段階でどれだけ注目されていなかったかを表す。これも1から5の値で評価付けをして、数字が大きいほど隠密していたことを表す。測り方は、私個人の感覚やショップ価格を見て判断する。

価格度はそのカードをデッキに入れるのにかかる費用を表す。これは稀少度とそのカードをデッキに入れるべき枚数から決まる尺度である。これもやはり1から5の値で評価付けをする。MTGアリーナ基準なので、紙の価格ではなく、稀少度とデッキに入れる枚数で評価される。

これらの評価が高いほど、《鏡割りの寓話》になる可能性が高いと言える。

 

前回の振り返り

前回の記事を見返してみると、あまり予測を当てられなかったように見える。そもそも発売してから評価が上がったカードがあまりなかった。強いて言えば**《多元宇宙の突破》**だろうか。このカードは各プレイヤーに高価が及ぶため、多人数戦向けのカードだと見られていた節がある。カードを評価するときはとは添加的散漫に注意したい(添加的散漫については公式記事を参照)。とはいえ、現在そこまで使われている印象もないカードであるが。

前回取り上げたカードの中では、《クロクサとクノロス》は使うことがなかったので強さが分からなかった。《溜め込む親玉》は出せれば打ち消しを持ってこれるため強いが、出すまでが大変なカードだった。《梁町の殴り棒》は装備品デッキに1枚くらい入れていいかな、という感じのカードで積極的に採用する気になれなかった。《エラントとジアーダ》は実際に使ってみると、カードプールの問題もあってそこまでの強さは感じなかった。《エルガモンへの侵攻》はまだポテンシャルを感じるが、色が良くなかった。

今回は前回の反省を踏まえて、自分が使いそうなカードを中心にあげていこうと思う。では、注目カードをチェックしていこう。

 

期待のカード

《大食い戦争》

あなたのコントロールするアーティファクトに、「2マナで生け贄に捧げることで《大食い戦争》の数+1点を好きな対象に与える」能力を持たせるエンチャント。

アーティファクトをダメージ源に変換することができる。分かりづらいが、「与えるダメージはあなたのコントロールする《大食い戦争》の数+1」であるため、基本は2点だが、《大食い戦争》を複数枚出すとダメージが上がる。複数枚引いても腐らないようにできている点は良い。

能力自体は基本的に2マナ2点+生け贄であるため、ダメージ効率はそこまで良くない。しかし、起動型能力のコストにタップを含まないため、宝物を生け贄に捧げる場合は実質1マナになる。宝物ではタップ時に生け贄に捧げられてしまうため成り立たない。パワーストーンなら1マナになる。

スタンダードではローテーション期間が伸びたおかげで血トークンや《鬼流の金床》などとシナジーさせることができる。本流のセットではあまり見ないタイプの能力を持っているので、ぜひデッキを作ってみたい。ただ現状でのショップ価格はレアとして最低限の価格しかなく、特に評価されていないようだ。

パワー:2
隠れ度:5
価格度:4

 

《強靭の徳目》

徳目サイクル(当事者カードのエンチャントサイクル)の一枚で、緑の徳目は出来事でクリーチャーか土地の墓地回収を行い、エンチャント側では基本土地から出るマナを3倍にする。

正直に言ってこのカードはスタンダードなどでは使われないと思う。しかしこのカードの本領は統率者戦であろう。統率者戦ならシングルトンなので墓地回収も強いし、大量に出したマナもアドバンテージにつながる。

ただ私が主にプレイしているMTGアリーナには統率者戦は存在しない。代わりにヒストリックブロールが存在する。ヒストリックブロールは一対一のため、統率者戦とは色々と違うが、それでもシングルトンなので墓地回収は有用である。私がよく使うデッキの【迷える探求者、梓】に入ると思う。梓ならエンチャント面も強力に使えるだろう。

よく見ると、出来事側の《ギャレンブリグの成長》は私の知る限り、初の緑1マナでクリーチャー(と土地)回収ができるカードである。そう考えると実は出来事側は強いのかもしれない。

パワー:3
隠れ度:5
価格度:3

 

《ガチョウの母》

緑青の伝説のハイドラ。Xをもマナ・コストに含み、X個の+1/+1カウンターを持ちながらXの半分(端数切り上げ)個の食物トークンを生成する。さらに攻撃時誘発で食物1つが1枚ドローになる。

やや複雑だが、かつて《ハイドロイド混成体》の変形版のようなカード。公開時から常に比較されてきた。《ハイドロイド混成体》と違って伝説であり、さらにライフ回復とドローが唱えたとき誘発でなくなっているなど、マイナスな点が多い。しかし、あちらよりP/Tが高く、またアルケミーにおいては《喜ぶハーフリング》によって伝説のクリーチャーは打ち消されなくなるため、デメリットをかき消せる。食物トークンを大量に生成できる点は、アーティファクトシナジーと組み合わせれば強く活かすことができる。スタンダード範囲でも、アーティファクトをフィーチャーしたセットが多かったため、緑でもシナジーを持つカードは多い。意外と環境で見るかもしれないカード。

パワー:4
隠れ度:3
価格度:4

 

《フェイの血筋のケラン》

赤白の伝説の当事者カード。出来事側は装備品かオーラのサーチで、クリーチャー側は二段攻撃と自軍クリーチャーのパワー修整を与える能力を持つ。

出来事側の2マナでサーチは直近ではスタン落ちした《ファイター・クラス》が持っている能力だったが、スタンダードに帰ってきた。攻める点ではテンポが悪いが、クリーチャーもついてくるので長い目で見れば大きなアドバンテージになる。サーチカードゆえにカードプールが大きくなるほど強くなるため、今後さらに強くなる可能性がある。

クリーチャー側も、二段攻撃を最初から持っているので強化効率が良い。自軍クリーチャー強化が生きるかどうかはデッキ構築に寄るが、どうも最近は《オークの弓使い》(アルケミー限定)のせいで弱いクリーチャーを並べる戦略にはリスクがあるので難しい。余談だが、以前記事にもした【赤白装備品】は《オークの弓使い》に弱いのでかなり厳しくなってしまった。

武装あさり》や《兎電池》など多くのカードがローテ落ちするアルケミーの赤白装備品のあらたな戦力として期待したい。一応、オーラのサポートもできるが赤白ではそこまで強くないとは思う。

パワー:3
隠れ度:4
価格度:4

 

《キャンディーの道標》

1マナのアーティファクト。出たとき占術2と、2マナで生け贄に捧げて1枚ドロー&3点回復。

過去のカードでは《海の神のお告げ》が近いだろうか。かかるマナは増えているが1ターン目からおける上に回復までついている。《治癒のポーション》と比べれば、占術2がついているぶんだけ強力である。ドローと回復は起動型能力なので協約には使いづらいが、1マナなので《現実の設計者、タメシ》や《湖に潜む者、エムリー》で使いまわししやすい。スタンダードやアルケミーで使われるかは微妙なラインだが、こちらもブロールで使ってみたいカード。コモンなので《鏡割りの寓話》とは程遠いが。

パワー:3
隠れ度:5
価格度:1

 

おわりに

本記事では強さよりも注目されてない、自分が使いたいカードを中心に紹介したため、《鏡割りの寓話》っぽいのはあまり無かったかもしれない。

『エルドレインの森』は紹介したカード以外にもプレビュー段階で話題のカードが多数存在するため、新しい環境での活躍も期待できる。《鏡に願いを》で《黙示録、シェオルドレッド》や《一つの指輪》を持ってきたり、オーク・軍団トークンで協約を行ったりする光景が見られるだろう。

以上、皆さんも是非発売前に強いカードを予想して「私は最初から寓話だと思ってた」と自慢しよう。